静岡市議会 > 2022-11-02 >
令和4年11月定例会(第2日目) 本文
令和4年11月定例会(第2日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2022-11-02
    令和4年11月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(望月俊明君) これより本日の会議を開きます。  この際、諸般の報告をいたします。  監査委員から、令和4年10月分の現金出納検査の結果について報告がありました。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────── 2 ◯議長(望月俊明君) 本日の議事日程は、配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第158号 令和4年度静岡市一    般会計補正予算(第6号) 外16件(総括    質問) 3 ◯議長(望月俊明君) 日程第1、議案第158号令和4年度静岡市一般会計補正予算(第6号)から日程第17、一般質問までを一括議題といたします。  これより総括質問に入ります。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  初めに、繁田和三君。   〔繁田和三君登壇〕 4 ◯繁田和三君 皆さん、おはようございます。  まずは、さきの台風15号により被災されました皆様方に、改めてお見舞いを申し上げます。そして、いまだ復旧作業に追われている皆様の一日も早い復旧を心よりお祈りを申し上げます。  また、本日は早朝、サッカーワールドカップ日本チーム決勝トーナメントへ進出を決めるという喜ばしいニュースも飛び込んでまいりました。日本チームのさらなる御活躍を期待するところであります。  それでは、通告に従いまして、自由民主党静岡市議会議員団を代表して質問をいたします。
     まずは、市長の政治姿勢についてであります。  田辺市長は平成23年4月の市長選挙で初当選して以来、2度の選挙を経て、現在3期目の最終年度を迎えております。田辺市政のこれまでを振り返ってみますと、平成23年度の最初の市長選は、あの東日本を襲った大震災の直後ということで、市民の皆さんの不安や心配を解消し、誰もが夢や希望を持って暮らしていける社会を実現することが最大の課題でありました。田辺市長もマニフェストに、不安を安心に変えるをテーマに掲げて選挙に挑み、市長就任後、直ちに緊急津波避難対策に取り組むなど防災・減災対策を推進するとともに、ないものねだりではなくあるもの探しをスローガンに、地域資源の掘り起こしと磨き上げにも取り組んでこられたところであります。  1期目は小嶋前市長時代に策定されました第2次総合計画の後期計画の期間内でありましたが、2次総の推進に当たり、田辺市長が目指す都市ビジョンをより鮮明にするために、まちみがき戦略推進プランを策定し、子ども医療費ワンコイン化など子育て支援策の充実や、道路、橋梁などの社会基盤整備に努めてこられました。  2期目がスタートした平成27年度には、世界に輝く静岡の実現を基本構想に掲げた第3次静岡市総合計画を策定。翌28年度には中長期的な都市ビジョンとして、歴史文化、海洋文化、教育文化のそれぞれの拠点づくりなどから構成される5大構想を打ち出されました。市長として、2期目のスタートに当たり御自身のカラーを打ち出すという強い意気込みが感じられましたが、一方で、総合計画の分野ごとの政策に加え、5大構想があり、何をやりたいのか分かりにくいという声も一部から聞こえてきたことも事実であります。  平成31年度からの3期目は、まさに今と同じように、新型コロナウイルス感染症との闘いの4年間であったと言っても過言ではありません。令和2年1月に我が国初の感染者が確認されて以来、短期間で感染者数は急増し、各種行事やイベントの中止、外出抑制などにより社会経済活動は大きく停滞していきました。  このような状況の中、令和2年度においては、市長は4月補正を皮切りに5月の2度にわたる補正、そして6月補正と矢継ぎ早に補正予算を編成するなど、積極的に新型コロナウイルス感染症対策に取組、その後も引き続き、命と暮らしの2つのライフを守るための施策を推進してこられました。  今年度も新型コロナウイルス感染症への対策や原油価格・物価高騰等への対策を中心とした補正予算を編成され、さらには台風15号による災害復旧予算を追加編成するなど、時期を逸することなく様々な取組を打ち出しております。  また、3期12年を通しての間では、中部地域3市2町の消防救急広域化を実現するとともに、中部地域5市2町の地域連携DMOとして、するが企画観光局をスタートさせるなど、県内中部地域のリーダーとして都市間連携を牽引するとともに、全国市長会副会長として常に地方の立場で活動されまして、その手腕を十分に発揮されてまいりました。  さらには、長年にわたり市民から要望がありました歴史博物館を本年7月にプレオープンさせています。この博物館は来年1月のグランドオープンに向け準備が進められていますが、本市の歴史文化を保存・伝承し、その魅力を市内外へ発信するものと期待されております。  清水区にあるJCHO桜ヶ丘病院の移転問題では、一度は社保庁による整理・統合案が浮上しましたが、清水区自治会連合会などを中心とした13万人を超える署名を受け、度重なる交渉を重ねた結果、令和2年12月に桜ヶ丘病院の移転に関する基本協定書の締結に至ったところであります。田辺市長の地道な交渉とその英断は、桜ヶ丘病院の老朽化問題のみならず、清水地域における救急医療体制の維持、確立につながったものであると市民も受け止めております。  このほかにも、子ども・子育て、教育分野の取組として、市立の幼稚園、保育所全園の認定こども園への一斉移行や、保育所等の待機児童ゼロの達成、全小中学校の普通教室等へのエアコン設置など、また、社会基盤や防災分野の取組として津波避難タワーの設置や、東名高速道路の日本平久能山スマートインターチェンジの開設などを積極的に取り組まれ、各分野における成果についてはいずれも高く評価するところであります。  以上、田辺市政のこれまでを駆け足で振り返ってみました。  そして、3期目の最終年度である今、第4次静岡市総合計画が本定例会に上程されているところであります。我が国全体で人口減少が進んでいる中、新型コロナウイルス感染症の影響による社会経済活動の停滞に加えて、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による日本への影響も徐々に大きくなるなど、地球規模での情報把握や危機管理の視点が必要な状況となっております。  そのような状況の中、4次総では、「人口活力を高め、まちと暮らしを豊かにする」という目標を掲げられています。人口減少社会の中で人口活力を高めていくことは容易なことではありませんが、来年4月からスタートする4次総の目標を達成できるか否かが、今後の静岡市の発展を左右する極めて重要なものになります。  今日になり、次期市長選挙には不出馬へという見出しで一部報道がなされましたが、この市議会本会議の場で改めてお伺いしたいと思います。来年4月の次期市長選挙について田辺市長はどのように考えておられるのか、お伺いして、1回目の質問といたします。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、中項目1、市長の政治姿勢について、来年4月の次期市長選挙について、どのように対応しようと考えているのかとの御質問にお答えいたします。  初めに、3期12年にわたり、議員各位をはじめ、市民の皆さんの御支援の下、市政運営の先頭に立たせていただいたことを深く感謝申し上げます。熟慮に熟慮を重ねた結果、私は次期市長選挙に出馬いたしません。今任期をもって、市長の職から身を引く決意を固めました。  この春、4月、次期静岡市総合計画、いわゆる4次総の策定が本格的に始まり、市議会各会派から多くの御提言をいただくとともに、市民の皆さんの御意見を広く募るためのパブリックコメントやワークショップ、市長ミーティング室などを重ね、今議会に基本構想及び基本計画を上程するに至るまで、鋭意、策定作業を進めてまいりました。  この議論の中で、最終年度を迎えた3次総で掲げた5大構想の一部が、一昨年来のコロナ禍により一時凍結を余儀なくされたことを受け、4次総における新たな5大重点政策へと引き継がれることとなりました。もちろん、繁田議員が御指摘のとおり、自分自身、次期任期においてもこれらの政策、施策の推進の旗振りをするべく、引き続き市政を担っていくという強い意欲を持ち続けておりました。  一方、この秋、9月、昭和49年以来の記録的豪雨となった台風15号は、土砂崩れや道路寸断による集落の孤立、停電、床上、床下浸水など、国の激甚災害の指定を受けるほどの災害を本市にもたらしました。中でも興津川に設置された取水口を激流に伴う瓦礫と流木が塞いだために起こってしまった断水被害は、多くの市民の皆さんの日常生活に支障を来し、大変御迷惑をおかけする事態となりました。市長として、その責任を重く受け止めております。  この2か月の間、私は今後の市政継続の意欲と、このたびの災害対応の責任との間で葛藤の日々を過ごしてまいりました。選挙初当選以来、30年余にわたって政治活動をお支えいただいた方々にも相談し、様々な御卓見も頂戴しました。その上は、自問自答を繰り返し、本日の決断に至ることとなりました。  結びに、任期満了までの一日一日を、5大構想を中心として取り組んできた3次総の総仕上げと、その3次総の継承と進化を軸として、引き続き世界に輝く静岡の実現に取り組んでいく4次総の準備に全力を尽くしてまいりますので、何とぞ議員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。   〔繁田和三君登壇〕 6 ◯繁田和三君 御答弁をいただきました。葛藤の日々、そして自問自答を繰り返した上で、次期市長選挙には出馬をしないという重い決断を今、我々はそろって伺いました。年齢はまだまだ、まだまだであります。引き続き本市のリーダーとして4次総を成し遂げてほしいという思いは我々ありますが、田辺市長、その前は県議会議員、その前は市議として長く政治を志して今日に至っております。その長い道のりの中で、使命と経験を踏まえて、さらには様々な思いの中で今の決断をされたことと思います。その重い決断に対しまして、心から敬意を表したいと思います。  実は昨日まで、私はもう一度田辺さんが手を挙げるだろうと思っていたところの今日でありましたので、次の質問が若干ぶれるかもしれませんけれども、通告に従って2回目の質問をさせていただきます。  田辺市長の後をどなたが市長を受け継がれるにしても、市民のために行政は円滑に継続されなければいけない。これは我々48人の議員の思いも一緒だと思います。そこで、2回目の質問は、本定例会に上程されております第4次静岡市総合計画についてお伺いせざるを得ません。  我が国全体で人口減少と少子高齢化が進み、東京への一極集中が加速している状況下で蔓延した新型コロナウイルス感染症は、急激かつ大幅な社会経済活動の停滞をもたらしましたが、その一方で、東京の過度な密が改めて課題として認識され、テレワークなどの常時の出勤を必要としない勤務形態、ワーケーション、2拠点居住などの普及もあって、都市機能と適度な疎を併せ持つ地方の中核都市の注目度が高まってきております。  また、新型コロナウイルス感染症の拡大により供給網の混乱や、ロシアのウクライナ侵攻等による安全保障上のリスク拡大などの影響が製造業の生産拠点の国内回帰が進んでいるとも言われております。  そこで、質問をいたしますが、4次総は今御案内をしたような状況下で策定されるわけでありますが、策定に当たって本市のおかれている状況をどのように認識し、本市が発展していくための課題をどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。  次に、定住人口に代わる目標についてお伺いいたします。  3次総では、ストレッチ目標として、2025年の総人口70万人の維持を掲げ、移住支援センターの設置や新幹線通学費貸与事業など各種の取組を積極的に進めてこられましたが、我が国全体で人口減少が進んでいく中、令和2年の国勢調査では、本市の人口は昭和45年以来、50年ぶりに70万人を下回る結果となってしまいました。現在策定中の第4次総合計画では、交流人口や関係人口にも着目し、人口70万人の維持に代わる目標として人口活力の向上を掲げておりますが、この目標を達成していくために、4次総ではどのような施策に取り組んでいこうとされるのか、お伺いしたいと思います。  次に、4次総の財源確保として、行財政改革についてお伺いいたします。  4次総では、3次総からの継続事業も含めて各種の大型プロジェクトに取り組んでいくことになりますけれども、新たな施設を造れば、それを運営するための経費が経常的に当然必要となります。その運営経費を賄うためにも、より徹底した行財政改革の推進が必要かと思いますが、4次総を推進するに当たり、行財政改革についてどのような姿勢で取り組んでいこうとされるのか、お伺いいたします。  次に、総合計画の計画期間についてお伺いいたします。  4次総の計画期間は来年度、令和5年度から令和12年度までの8年間となっております。これは現在の3次総を尊重したものと思われますが、2次総までは計画期間が5年間でありました。3次総から計画期間を8年に変更されたわけでありますが、3次総の最終年度を迎え、計画期間を変更したことの効果についてどのように評価をされているのか、お伺いしたいと思います。  細かな要点質問は省略させていただきます。  質問は以上でありますが、改めて振り返ってみて、市長はあの初当選のときの、多分6月だったでしょう。所信表明の中で、「災害に強く、安全安心に人が暮らせるまち」、それと「求心力が強く、世界中から人の集まるまち」という2つの都市ビジョンを掲げて、新しい時代に即応した施策を展開していくと述べられました。そして、その実現に向けてまず第一に取り組むべき課題として、先ほど申し上げた行財政改革の推進を上げております。そして、事務事業の着実な推進と財政の健全化の両立に向けて取り組んでこられたと思っております。それがために、本市の財政が現在も政令指定都市の中で上位の健全性を保っておられるのも、市長の大きな決断の成果と思っております。  市長、来年4月まであなたは任期があるわけであります。よって、策定される4次総の来年度予算の中で、この4次総を確実に位置づけていただくようにお願いしたいと思います。  4次総は、今、市長がこの議会に提出され、我々がこれから審議、そして議決をすることになると思いますが、私ども市議会議員として、議決した4次総を着実に進めていくという責務がありますので、私も議会人の一人として責任を持って取り組んでいきたいと思っております。これは皆さんも同じであります。ぜひ気持ちを共有した上で、4次総を推進していきたいと思います。  田辺市長におかれましては、市長としての区切りはつけられるものの、静岡市のさらなる発展に向け、情熱を絶やすことのないよう切望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 7 ◯副市長(大長義之君) 私からは、4次総に関する3点の御質問にお答えいたします。  まず、本市の現状認識と今後の発展に向けた課題についてでございますが、議員御指摘のとおり、まちの将来像を示す4次総の策定に当たっては、時代の潮流や本市を取り巻く環境変化といった現状認識と、それに対応するための適切な課題認識を併せ持つことが重要であると考えています。  その中で特に留意すべき点として、まず、SDGsの推進が挙げられます。4次総と同じ2030年を目標とするSDGsは、今や多くの企業、個人の社会経済活動までに浸透しています。本市も経済、社会、環境の調和を意識し、政策、施策に取り組むことで、持続可能なまちづくりを実現するとともに、国際社会の一員としての責任を果たす必要があります。  また、人口減少の進行や社会のデジタル化の進展などを背景に、人々の暮らしや意識は変わり、東京一極集中に示されるような経済性、効率性を重視する都市集中型の社会から、より持続性、柔軟性が高い地方分散型の社会への移行が進みつつあります。本市もこの時代変化に即した取組を展開し、世界で存在感を示す都市への飛躍を遂げていく必要があります。  こうした現状認識、課題認識の下、「市民(ひと)が輝く」、「都市(まち)が輝く」、世界に輝く静岡の実現に向けた取組を推進し、本市の持続的な発展を図ってまいります。  次に、人口活力の向上に向けた取組についてでございますが、国全体で急速に人口減少、少子高齢化が進む中、本市においても中長期的な人口減少は避けられない状況にあり、人口規模の拡大を目指すだけでは、将来にわたり都市活力を維持することは困難であると考えております。  そうした中、テレワークや二地域居住のように、働く場所や住む場所にとらわれず、様々な地域とつながることができる時代を迎えています。このような背景を踏まえつつ、本市を訪れ、本市と関わる人を増やすことで、新たな活力を生み出していく必要があります。  そこで、4次総では、これまでの定住人口の減少を抑える取組に加え、交流人口の拡大と関係人口の創出のための取組を一体的に推し進めることで、人口活力の向上を図り、経済の活性化や多様な地域課題の解決につなげていきます。  このうち、交流人口に資する取組では、5大重点政策の1つとして位置づけたアートとスポーツを生かしたまちづくりや、3次総から進めてきた海洋文化施設などの拠点整備事業を、また関係人口に資する取組では、テレワークの推進や首都圏における本市のファンづくり、WeWorkを活用したシティプロモーションなどの事業を、今後策定する4次総の実施計画に位置づけてまいります。  最後に、3次総の計画期間を8年としたことによる効果についてでございますが、3次総では、長期的な展望を持ってまちづくりに取り組む目的から、基本構想の期間を定めず、基本計画の期間を1次総、2次総より3年長い8年間として設定しました。あわせて、実施計画を前後期の4年ずつに分け、適宜、施策や事業の見直しを行うことといたしました。この計画期間の変更により、時代の変化に対応しつつも、一貫性のある市政運営を進めるとともに、庁内の各局がまちの将来像を意識しながら、バックキャスティングによる施策を展開するなど、一定の効果があったものと考えています。  4次総の基本構想、基本計画についても、3次総の考えを継承し、同様の期間設定として本議会へ議案を提出させていただいたところでございます。 8 ◯総務局長(渡辺裕一君) 4次総の財源確保に向け、行財政改革にどのような姿勢で取り組んでいくのかについてですが、現在、令和5年度からスタートする第4次行財政改革推進大綱の策定と並行して実施計画をまとめているところでございます。  財源確保に向けては、これまでも大きな効果を生み出した市税等の収納率向上や、アセットマネジメントによる施設の統廃合等を継続して推進してまいります。  また、本格化する生産年齢人口の減少による税収減や、人手不足が想定される今後においても、安定した質の高い行政サービスを提供し続けるため、企業版ふるさと納税のさらなる推進や、民間資金を活用し道路照明灯を一斉にLED化する事業手法の導入、各種行政手続オンライン化の推進など、公民連携やDXによる改革にも取り組んでまいります。  さらに、DXについては、効率化による経費節減も期待できるため、DXによる業務プロセスの見直しやペーパーレスの推進など身近な業務を見直していくことで、職員一人一人がさらに行革の意識を高めるとともに、実施計画を着実に実施し、全庁を挙げて第4次行財政改革を推進してまいります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 9 ◯議長(望月俊明君) 次に、白鳥 実君。   〔白鳥 実君登壇〕 10 ◯白鳥 実君 それでは、通告に従って、創生静岡の代表質問を行います。  今回の議会では、4つのことについて確認しておかなければなりません。1点目は、市長の次期市長選挙への意向、2点目に、第4次総合計画の基本構想、基本計画について、3点目に、物価高騰による大型公共事業への対応、4点目に、台風15号への災害対応についてであります。また、今回は創生静岡が11月7日に市長への令和5年度の政策提言の中で示した考え方の3本柱に基づき、質問をさせていただきます。  田辺市長とは32年のお付き合いになります。この間、実に目まぐるしい政治経歴を送られてきたと認識しています。きっと、その都度、自らの考えと意思をもって決断してきたことであり、私も一人の政治家として理解できます。  本日、正式に不出馬との表明がなされました。強い意欲を示していた田辺市長であったので、きっと選挙という民主主義の原点である場で議論することを大いに期待をしていた私にとっては、市長の決断は残念な決断と申し上げなければなりません。残り4か月となりますが、最後まで緊張感を持って議会審議に取り組むことをお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  初めに、大項目1、市政運営について。  3期目の最終年を迎えた田辺市政では、静岡市第3次総合計画の最終年として市政運営が行われてきました。  しかし、9月議会の我が会派の宮澤議員の3次総の総括では、最大目標値であった人口70万人は68万4,000人、出生率では目標の1.57が1.32まで低下、3次総の市民満足度については、平成25年と直近令和4年度比で比較できる設問15問中13問で市民満足度が低下、誤差とは言い難い10%以上の低下も6項目と、多くの市民から不満と低い評価が示されたとの重要な指摘がなされました。4次総策定に際しては、基本計画から実施計画に至るまで、改めて3次総を厳しくチェックした上で取り組む必要性を指摘しておきます。  その上で、(1)第4次総合計画について伺います。  もとより、総合計画とは長期的な視野に立ってまちづくりの方向性を示すもので、市政運営の最も基本となる計画であり、令和5年から12年までの市政運営の方向性を決めるものであります。  創生静岡の4次総への提言では、計画、政策作成のプロセスを大切にすることを強調した上で、大きく2つの点を提言いたしました。1点目は、目指す都市像について、世界に輝く静岡の実現を改め、市民が幸せを実感できる静岡の実現とすること、2点目に、人口目標等の客観的な数値目標を設定し、市民が求める人への投資を総合計画の中心に据えることであります。  その上で、会派では、今議会に提案された第4次総合計画基本構想、基本計画については、75点の評価をさせていただきます。  評価した点は、まず、目指す都市像については、世界に輝く静岡の実現の第1に、「暮らす市民一人ひとりが、輝いて、自分らしい人生を謳歌できる」、市民が幸せを実感できる静岡の実現としたこと。また、SDGsを持続可能という理念として各施策に取り込んでいること、また森林文化を取り入れたことによる中山間地への取組が明確化されたこと。また、5大構想の健康長寿のまちの推進に子ども・子育てを加えた点など、我が会派の主張であった人への投資の観点が示されていることであります。  一方、今後の課題としては、第4次総合計画策定に向けて、3次総での反省点である策定プロセスの透明化や政策推進に必要不可欠な市民への説明責任、市民の行政ニーズの把握手法の確立や、大規模公共事業の検証や、勇気ある見直しへの取組など、時の経済状況を踏まえた対応が重要であることを意見しておきます。  そこで、2点。  1点目に、第4次総合計画策定への市長の思いはいかなるものか。また、どのようなところに視点を置いて進めてきているのか、伺います。  2点目に、市長改選後、総合計画の再検証の上で予算の見直しが行われる可能性もあると考えられます。そこで、令和5年度予算を暫定予算や骨格予算として編成する考えはないか。また、市長改選後、市の方針が再検討された場合、予算はどうするのか、伺います。  次に、(2)本市に必要とされるリーダー像について。  まず、県知事との関係について、日頃からの不仲説は今回の災害時にも露呈する結果となりました。被災した市民からは一刻も早い支援を求める中、トップ同士が連絡すら取れなかったことについて、市長記者会見では、携帯の番号を知らなかったとの発言。その次元の低さ、幼稚さは市民を大きく落胆させる結果となりました。  私は以前から述べてきたことですが、政令指定都市には静岡県に対して果たすべき役割があり、静岡県にとっては重要な拠点自治体としての責務があり、常にトップ同士が共有すべきと考えてきました。主義主張の違いがあったとしても、避けて通ることはできません。誰かにズボンの裾を抑えられていたのかもしれませんが、政令市静岡市の市長の責務として、ここで田辺市長自ら進言し、県知事に対し面談を求める必要があります。  本市の課題として、特に台風15号の検証、南アルプスの環境、水問題、清水区のみなとまちづくりについては、最後に田辺市長本人の言葉で意見されることを強く進言しておきます。  そこで、市長自身の政治姿勢について2点。  1点目に、県知事との関係性について、認識と責任をどう受け止めているか。  2点目に、4次総を進めるために求められるリーダー像とはいかなるものと考えるか、お答えください。  また、3点目に、不出馬表明がされましたけれども、今後の政治との関わりについてどのように考えているのか、伺うものです。  次に、大項目2、健全な行政運営の推進について。  (1)財政の健全化の確保です。  ロシアのウクライナ侵攻による物価高騰と円高による景気の先行きは不透明であります。新型コロナ感染症の影響、台風15号による被害への対応と、次年度当初予算編成及び4次総実施計画への対応では、財政見通しが大変重要となってまいります。義務的経費が上昇する中、厳しい財政運営が想定されます。令和4年度予算編成時に示された財政見通しは、令和5年度以降、62億円から73億円の財政不足が生ずることが示されていましたが、1点目に、台風15号の災害対応によりさらなる財源不足の懸念がされますけれども、4次総前期4年間の財政見通しをどのように見ているのか、伺っておきます。  2点目に、大型公共事業への影響について、2つの施設について確認いたします。  まず、今議会に債務負担行為の変更議案が提出されている大浜公園再整備事業について、物価高騰と新たな施設整備のための増額補正であります。そこで、改めて、大浜公園再整備事業について、大幅に事業費を増額した検討経緯と理由についてお聞かせください。  次に、海洋文化施設について。  今年度改めて事業が再開され、当初予算で約170億円の債務負担行為が設定されました。合併後、最大規模の施設建設で株式会社乃村工藝社を代表とする企業体が落札者に決定いたしました。一方、物価高騰は深刻で、特に建設資材は20%を超え、さらに競合に拍車がかかっている状況であります。なぜ落札者を決定することができたのか、疑問が残るところです。  そこで、3点目に、落札者が決定した海洋文化施設の事業提案は、物価高騰の状況の中でどのようにして事業費内で収め、市はどのように確認し決定したのか。また、中長期の改修の見通しをどのように考えているのか、伺います。  (2)アセットマネジメントの推進について。  アセットマネジメントの取組の1つである床面積の縮減について、3次総期間では8年で約2.1%、当初目標であった30年で20%の縮減は現在の進捗では不可能であると認識しています。改めてこのタイミングで課題を整理し、4次総期間での対策を進めていく必要があると考えます。  そこで、アセットマネジメントアクションプラン第1次の最終年となる本年、床面積の縮減を進める上での課題と今後の取組についてどのように考えているのか、伺います。  次に、今後、人口減少が進む中で必然的に増加することが想定される空き施設について、静岡市のルールでは、原則売却をうたっているため、空き施設の貸付けも検討しているものの、結果として民間への貸付けが進まない状況があると感じています。  他都市では、千葉県の道の駅では、廃校となった保田小学校を道の駅保田小学校として活用。また、島田市のグランピング施設など、静岡市としても参考にすべきと考えております。  現在、第2次アセットマネジメントアクションプランを策定中でありますけれども、今後生ずる空き施設について、民間への貸与等により有効活用するためにどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、(3)市職員の能力向上と倫理意識の向上について。  2年前、吉田町では、工場内に進入した消防隊員ら4人が殉職する火災事故が発生いたしました。また、本年再び、将来を嘱望されていた1人の消防士の命を奪う重大な事故が発生してしまいました。そこで、火災現場における消防職員の殉職事故が続いたことについて、いま一度、消防局における取組を伺わなければなりません。  そこで、1点目に、吉田町の事故に関する有識者の事故調査委員会の報告書は今日まで公表されていませんけれども、現在どのように活用されているのか、お聞かせください。
     本年8月13日、葵区呉服町の商業ビルで発生し、活動中の消防隊員が殉職した火災について、元東京消防庁の坂口隆夫氏は、今回の消防活動について3つの疑問を投げかけています。1点目に、なぜ検索ロープを使わなかったのか、2点目に、なぜ危険な進入を3度も行ったのか、3点目に、なぜこの規模の火災で鎮火まで5時間もの時間がかかったのかの点でありました。  10月13日、本市における第1回事故調査委員会が開かれ、慶應義塾大学の中西教授が委員長に選出され、映像や画像を使って消火活動の概要が説明されたとのことで、多角的視点からの検証が求められることとなりました。  そこで、2点目に、呉服町の建物火災における殉職事故について、事故調査委員会が設置されたとのことですけれども、現在どのように進めているのか。また、報告書はいつ公表予定なのか、伺っておきます。  続いて、事務事業事故に関して。  昨年度、上下水道局では高橋雨水ポンプ場の、観光交流文化局では静岡市歴史博物館の、それぞれの建築基準法に違反する事務事業事故が発生いたしました。その後の報告では、再発防止策として、両局にあっては、様々な手法を取り入れた局内職員に法令遵守を徹底する意識を浸透させる取組が行われているとのことであります。  そこで、改めて、現在、職員のコンプライアンス強化に向けてどのような教育、取組が行われているのか、伺います。  以上、1回目です。 11 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、中項目1、第4次総合計画について、4次総策定への市長の思いはいかなるものか、また、どのようなところに視点を置いているのかとの御質問にお答えします。  まず、4次総についてです。  策定において常に意識していたことは、3次総の継承と進化ということであります。まず、3次総の取組をしっかりと検証した上で、これまで2度にわたってパブコメを実施し、また市議会各会派からそれぞれ政策提言もいただき、3次総策定のときより丁寧に市民の声に耳を傾けてまいりました。その中で、御示唆に富む御意見が、数多くありました。例えば、子ども・子育ての大切さや、スポーツが持つ力の大きさ、あるいは持続可能な中山間地域の重要性などで、私自身、多くの気づきや学びがありました。  それらを踏まえて、4次総では、3次総において最優先で取り組んできた5大構想を、新たに5大重点政策としてさらに進化させてまいりました。そのポイントは次の3点です。  1点目は、これまで進めてきた健康長寿の取組に、これからの時代を支えていく子ども・子育ての視点を加えた「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」です。目下、子育て中の職員の皆さんを中心としたプロジェクトチームでの検討に加えて、子ども未来局の職員を子育て政策で全国的に注目を集めている兵庫県明石市に派遣し、視察、研究をさせてまいりました。本市の実情に即した新たな事業を組み込むことによって、子供から高齢者まで誰もが心身ともに健康で、人生を楽しみながら自分らしく活躍し、暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。  2点目は、これまで進めてきた、まちは劇場の取組にスポーツの視点を加えた「アートとスポーツがあふれるまちの推進」であります。  先ほど話題になりましたとおり、早朝、日本中が湧きました。日本代表が2対1でスペインに勝利し、決勝トーナメントに進みました。スポーツには市民や国民の心を一つにするという大きな効果があります。また、交流人口の拡大による経済の活性化にも大きく寄与いたします。こうしたスポーツの力、文化芸術の力を生かして、国内外の人々が活発に交流する、世界中から人の集まる静岡市づくりを進めてまいります。  3点目は、中山間地域の振興として新たに掲げた「オクシズの森林文化を育てるまちの推進」です。  本市の約80%以上を占める中山間地域は、恵まれた自然環境、地域の伝統文化、多彩な農林業など、オクシズにしかないすばらしい地域資源を有しております。ここで重要なことは、SDGs未来都市として、SDGsの目標11、住み続けられるまちづくりをという観点で、今後も安心して住み続けられるオクシズが形成できるかどうか、ここが試金石であります。その実現のためには、2つの要素が必要です。すなわち、雇用と仕事の確保、そして、生活利便性の向上が不可欠です。こうした考え方の下、オクシズ地域と都心地区が連携して、この豊かな地域資源を生かした持続的な経済活動が営まれるまちづくりを進めてまいります。  これまで世界に輝く静岡の実現に向けて、精いっぱい市政運営に取り組んでまいりました。そして、今、3期12年の経験を基に、新たな時代への決意を込めて4次総を策定しております。ないものねだりよりもあるもの探し、あるものを磨き上げ生かすことで世界に輝くことができると私は確信しております。  次に、県知事との関係性についてです。  私が考える市と県の役割は、市が住民に最も身近な基礎自治体として主体的にまちづくりを進める中で、県はその方針を尊重しサポートする、これが市、県のあるべき姿であります。その前提として、私と知事が適切な関係性を築くことは、市政運営上、大変重要であると認識しております。これまでの間、十分な関係性を築けなかったことは残念ですが、今後、4次総の推進に当たっては、本市が進めるまちづくりへのサポートを知事に対して求めてまいりたいと考えております。  次に、4次総を推進するために求められるリーダー像についてです。  4次総の8年間は、GXやDX、激甚化、頻発化する自然災害など、社会情勢への目まぐるしい変化も予想されます。こうした変化の激しい時代こそ、私が元来、主張しているように、地球規模で本市のあるべき姿を俯瞰する鳥の眼と、市民一人一人のきめ細やかな目線を意識した虫の眼の2つの視点を併せ持つことが特に重要となります。こうした2つの視点の下、迅速かつ大胆な決断が求められる局面においては、ボトムアップのみならず、トップダウンによって強力なリーダーシップの発揮が求められると考えております。  最後に、今後の政治との関わりについてですが、現時点では全くもって白紙です。  以下は、局長及び統括監に答弁させます。 12 ◯財政局長(大石貴生君) 予算編成と財政の中期見通しに関する2点の御質問にお答えします。  まず、令和5年度の予算編成の考えについてですが、地方自治法では、一会計年度における全ての収入、支出を計上した本予算のほか、一定期間のみの収入、支出を計上した暫定予算が規定されています。また、法の規定にはありませんが、義務的経費を中心に必要最小限の収入、支出を計上したいわゆる骨格予算が編成されるケースもあります。  本市における予算編成としては、静清合併により新市が発足した平成15年度予算において、新市が存在しておらず、新市の市長も選出前であったことから、暫定予算が編成されました。しかし、それ以降、複数回の市長選挙が行われる中、その時点の市長の下で総合計画を踏まえた本予算での編成が行われており、暫定予算、骨格予算は編成しておりません。  令和5年度当初予算も、今議会で上程しております4次総を踏まえ、本予算として編成していく予定であります。  また、市長改選後、市の方針が再検討された場合の対応についてですが、4次総など、市の方針の見直しが行われる場合は、その方針に沿った補正予算を編成することになると考えております。  次に、災害対応によりさらなる財源不足が懸念されるが、4次総前期4年間の財政見通しはどうかについてですが、台風15号の被害に対応するため、9月、11月の市議会に、3回の補正予算として一般会計で総額282億円の予算を編成しており、このうち国県支出金等を除く市の負担額は、市債144億円、一般財源33億円、合計177億円となっております。市債の償還については、利子を含め、元利償還額の3分の2程度、約99億円が普通交付税として措置されるものの、約47億円の実質的な市の負担が生じると推計しております。また、一般財源の一部として活用した財政調整基金の取崩し22億円については、今後、活用できる財源の減少につながります。  これらのことから、今回の災害対応は、今後の財政運営に一定程度の影響を及ぼしていると考えております。  このほか、本年10月の消費者物価指数が31年ぶりの高い水準となるなど、長引く原油価格・物価高騰等の影響も懸念され、4次総前期の財政見通しは、本年2月に策定した財政の中期見通し、さらには9月の定例会で宮澤議員にお答えした見通しよりさらに厳しくなると想定しております。  今後、このような社会経済情勢の変化を踏まえつつ、令和5年度当初予算を編成し、併せて新たな財政の中期見通しを策定してまいります。 13 ◯都市局長(八木清文君) 大浜公園再整備事業における事業費の増額の検討経緯と理由についてですが、本事業は大浜公園リニューアル基本計画に基づき、プールの有料化、通年で魅力あふれる公園を目指す方針で進めておりましたが、本年4月に入札中止となり、それ以降、参加意欲を示していた事業者を中心にヒアリング調査を行い、事業者と市との間で事業費の乖離があることを把握しました。  再公告に向けた事業内容については、延べ12者と35回のヒアリングを踏まえ、長期的な視点を持って合理的な検討を十分に重ねた結果、市民の期待に応えるためには、施設の魅力を損なう事業規模の縮小は選択すべきではないとの判断に至りました。  次に、増額の理由ですが、3つあります。  1つ目は、土木、建築資材など物価上昇の影響を考慮し再積算したことによる増額であり、約7億円となります。  2つ目は、アトラクションプールの整備費及びPFI実施事業者となる特別目的会社の管理運営費の費用負担を市側に変更したことによる増額であり、約2億3,000万円になります。これは、当初、市の支出負担を極力抑え、市民への利益還元を大きくする先進的な手法を目指しておりましたが、物価上昇が続く社会情勢の中では、事業者の継続的な増収による事業者負担が困難であると勘案し、一般的なPFI事業の算定としたものです。  3つ目は、整備内容の拡充による増額であります。約5億3,000万円になります。これは、現在の社会情勢下でも、15年間にわたる安定した公園の維持管理、運営の実現を目指し、皆様に大浜公園プールを選んで来てもらえるよう魅力をさらに高めるとともに、通年で公園に多くの方々が楽しみに訪れてもらうためには、市場に強く訴求する施設整備の拡充が必要と判断したものです。  以上の支出増に、施設、サービスの充実に伴う利用料の収入増を差引きし、12億円の増額となっております。  このような事業の見直しにより、本事業の公益性と事業性の両立を図り、令和7年7月に大浜公園のリニューアルオープンを目指してまいります。 14 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 海洋文化施設に関する2つの御質問にお答えします。  まず、海洋文化施設の事業提案は、物価高騰の状況の中でどのように事業費内で収め、市はどのように確認し決定したかについてですが、本事業は設計、建設から維持管理、運営までを一体とした詳細な仕様を定めない性能発注であることから、事業者は、本市が求める要求水準を満たしていれば、建物の構造、規模などを自由に提案できるため、創意工夫により様々なコスト縮減が可能になります。  今回落札した事業者の提案は、機能の複合化により面積を縮小し、建設費の抑制を図るというもので、延床面積は約8,500平方メートルで、本市の想定、約9,500平方メートルと比較し、約10%縮小しております。要求水準書では、用途に応じて区分した各エリアの面積を定めておりますが、それぞれの機能を満たしていれば面積の増減は可能であり、具体的には、交流エリアのオープンスタジオを教育・研究エリアのワークショップルームなどとしても利用することや、飼育員の作業スペースなどを展示エリアのオープンバックヤードとしても利用することなど、各エリアの諸室を本来の機能を確保しつつ、別の機能としても発揮させるなどの工夫により、施設規模の縮減を実現させた結果、建設資材の高騰下でも事業費内に収められたものと考えております。  そして、この提案は、担当職員による書類審査や学識経験者等による審査会で要求水準を満たしていることを確認し、庁内の選定委員会においても提案が有効であると判断したため、落札者と決定いたしました。  次に、中長期の改修の見通しをどのように考えているかについてですが、18年間の事業期間終了後も事業を継続する場合は、建物の改修以外に、展示物の更新や最新技術の導入なども必要となりますが、まずは本事業を着実に進め、PDCAサイクルをしっかり回した上で、本施設の改修の在り方を検討していくことが重要と考えております。 15 ◯企画局長(松浦高之君) アセットマネジメントに係る2つの御質問にお答えします。  まず、床面積縮減を進める上での課題と今後の取組についてですが、本市では、静岡市アセットマネジメント基本方針において総資産量の適正化を掲げ、床面積縮減に向けて、これまで学校施設や市営住宅の統廃合及びこども園や障害者支援施設の民営化等を進めてまいりました。  しかしながら、床面積の縮減は低調であり、その課題の1つとしては、廃止となる施設について原則売却とする方針があるものの、処分に向けた手順や役割を明確化していなかったことから、跡地の検討が後回しになったためと考えております。  そこで、令和3年度に統廃合により生じる跡地の処分・活用に係るルールを策定し、統廃合の計画段階から同時に跡地の処分・活用方針を検討する手続を明確化しました。現在、企画局と施設所管局が連携し、閉校した旧峰山小学校をモデルに、跡地の処分、活用に関し地域の方々との勉強会の開催など、ルールに基づいた検討を始めたところです。  4次総期間においては、学校施設等の床面積の占める割合の大きい分野でこのような取組を重点的に進め、床面積の縮減を図ってまいります。  次に、今後生じる空き施設の民間への貸与等の有効活用についてですが、統廃合により生じる跡地の処分・活用に係るルールに基づき、庁内各課による利用が見込まれない場合は、次のフェーズとして、地域に寄与し、民間事業者等のニーズに合った売却や貸付け等を検討することとしております。その手続を有効なものとするために、企画局と施設所管局で連携し、様々な業種の民間事業者と行政が対話を行う場である静岡市PPP/PFI地域プラットフォーム等の場を有効活用し、民間事業者との情報共有を図り、知恵を出し合うことで、よりよい事業の掘り起こしにつなげてまいります。  これまでの実績としては、大浜公園の再整備事業の検討において、民間視点での立地を生かしたにぎわいづくりへの意見等をいただき、事業内容の充実につながったところです。  今後、この地域プラットフォームなどを通じて民間事業者等から建物つき売却や定期借地権による貸付け等の手法について提案があった場合は、地域経済の活性化や地元への寄与等の観点から総合的な判断を行い、スピード感を持った処分、活用を進めてまいります。 16 ◯消防局長(秋山義隆君) 吉田町の倉庫火災事故調査報告書の活用と、呉服町の中高層建物火災における事故調査委員会の2点の御質問についてお答えいたします。  初めに、吉田町の倉庫火災事故調査報告書の活用についてですが、事故調査委員会から再発防止に向け、消防組織体制の再構築が必要であるとの提言を受け、安全を支える3つの柱を指針として掲げました。  1つ目は、事前対策の徹底です。災害時に建物の収容物などの情報を共有するデバイスの整備や、消防部隊の運用を具体化した指揮活動要領の策定など、安全に災害活動を行う体制づくりに努めています。  2つ目は、災害対応力の強化です。隊員の安全を高める個人装備を増強するとともに、災害機動支援隊を創設するなど、災害現場における安全管理体制の強化を図っております。  3つ目は、人材育成の推進です。現場を統制する指揮隊への指揮活動要領の研修や、大規模倉庫を活用した実践的な火災想定訓練などを通じ、現場に潜む危険要因を意識した職員の育成に努めています。  事故調査報告書は非公表としておりますが、同種事故の再発を防止するため、全職員に対し研修を行い、事故発生時の活動状況や要因、再発防止策など、情報の共有を図りました。  今後も安全を支える3つの柱を軸に、引き続き、安全対策に取り組んでまいります。  次に、呉服町の中高層建物火災における事故調査委員会についてですが、事故原因の究明と、それに対する対策を講じるために、静岡市附属機関設置条例に基づく附属機関として静岡市葵消防署管内建物火災事故調査委員会を設置し、事故発生のメカニズムを研究する大学教授など、外部の有識者5名を委員として委嘱しました。  事故調査委員会では、消火活動時における現場指揮や屋内進入などの活動状況、火災の性状などについて評価、検証していただき、事故が発生したあらゆる要因を導き出し、具体的な再発防止に向けた提言をまとめていただきます。  事故調査委員会は、本年10月13日に第1回を開催し、令和5年1月末までに全4回を開催した後、その結果を取りまとめ、報告していただき、速やかに公表する予定です。 17 ◯総務局長(渡辺裕一君) コンプライアンス強化に向け、どのような教育、取組を行っているのかについてですが、一連の事務事業事故は、職員の法令への理解や事務の適正執行に対する意識の不足、組織における内部統制が十分に機能しなかったことなどによるものであり、この事実を重く受け止め、全庁的な対策を講じているところでございます。  具体的には、重大な事故等が発生した項目や発生件数が多い事例を内部統制重点取組項目として定め、これを全職員で共有して、同様の事故等の発生防止に努めていくという取組を開始いたしました。本年度はその項目に法令遵守を掲げ、法令への対応に遺漏が生じないようチェックリストを作成するなどして、その徹底を図っております。  また、各所属の内部統制において重要な役割を担う所属長及び係長約480人を対象に、内部統制の機能強化を図る研修を新たに実施いたしました。  さらには、各所属が事故等の再発防止策を確実に実施しているかをチェックするコンプライアンス推進課によるモニタリングについても、その実施件数を大幅に拡大し、再発防止に努めております。  今後も職員の能力向上を図り、事務の適正執行を確保することによって、組織運営の基盤となる内部統制体制をより強固なものとしてまいります。   〔白鳥 実君登壇〕 18 ◯白鳥 実君 田辺市長からも御丁寧な御答弁をいただきました。久しぶりに素直にお伺いすることができました。  次は、大項目3、災害に強く、持続可能なまちづくり、(1)台風15号被害に対する対応と検証について。  甚大な被害をもたらした台風15号から2か月半が過ぎました。この間、多くの場所で復旧に取り組んできた職員の皆さんに、改めて感謝と敬意を表させていただきます。  本市では、清水区における断水被害や大規模な浸水被害が発生、葵区油山温泉における土石流被害など、全国にそのすさまじさが報じられました。  今回、追加補正で、15号被害への対応として167億円の復旧予算が編成されましたが、被災者の中にはいまだに日常を取り戻せない人たちも多い状況であります。また、中山間地における道路、河川の崩落は孤立集落を発生させる事態となりました。一日も早い復旧が求められるところです。  そこで、1点目に、台風15号による道路、河川の被害状況と、復旧への取組をどのように進めているのか、お伺いいたします。  次に、有識者会議の設置について。  定例記者会見では市長から、水道施設強靱化のための有識者検討会の設置が明言されました。一方、我が会派では、今回の災害への対応では、水道施設にとどまらず、総合的な視点での検証を行うことが重要であることから、市長へ緊急提言を行いました。災害対策本部長の判断や行動を含め、初動体制に問題はなかったのか、災害対策本部の機能と役割、自衛隊要請検証、災害廃棄物への対応等、全9項目について危機管理体制への総合的検証を行い、検証結果報告書を議会はもとより、広く市民に開示するよう要望いたしました。  そこで、今後の災害への備えを強固にするためにも、今回の対策の課題を明らかにすべきと考えますが、災害対応の検証について有識者会議の設置を考えているのか。また、今後、検証をどのように進めていくのか、伺います。  次に、(2)危機管理の強化について。  台風15号では、災害時の情報集約と発信が課題であると市長自ら明言され、その対策として静岡型災害時総合情報サイトの半年前倒し、令和6年10月の早期運用開始が発表されました。この情報サイトについては、我が会派の浜田議員、さらにはデジタル社会推進特別委員会でもその必要性について進言があったところです。災害に強く、市民の安心・安全を守るためにも、情報は重要となります。  1点目に、危機管理情報のデジタル化と市民共有について、静岡型災害時総合情報サイトの運用に向けた今後の取組について伺います。  次に、私は東日本大震災の折、通産省からの通達を受け、静岡県畳適格組合連合会の皆さんと2,000畳の畳を被災地である大槌町、山田町へ送る活動に参加いたしました。避難所となる体育館や仮設住宅への対応で、被災者の生活支援のための迅速な対応が求められました。  静岡県では全国に先駆け、全組合員に各6畳の作成を依頼、2,000畳を数日で準備いたしました。しかし、畳屋さんは畳を作ることが仕事。要はどのように現地に送るかの相談で、送るためにはトラック協会の協力が不可欠とのことから、県知事への直接の要望となりました。結果、知事自ら対応していただき、トラック協会の協力の下、県内3か所からの発送を行うことができました。  今後起こる大規模災害に備えて、本市が結んでいる災害応援協定及び県が結ぶ協定との連携についても再検証する必要があると考えます。  そこで、2点目に、今回の災害において災害応援協定による活用実績はどのようであったか。また、協定の活用に当たりどのような課題があったのか、伺います。  次に、大項目4、人への投資、(1)人口減少と4次総における子育て支援策について。  創生静岡の令和5年度政策提言書では、3本柱の1つに人への投資を掲げ、子ども・子育て支援制度の拡充を最重要施策と位置づけました。  4次総においては、人口フレームを最終年では65万人と想定、目指す都市像では、「静岡市に暮らす市民一人ひとりが、輝いて、自分らしい人生を謳歌できるまち」と定めました。また、5大重点施策では、「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」を第一に据えて強調されたことは人口減少対策の一歩と評価いたしますが、一方、8月に行われたパブコメでは、子育てに対する期待が大きく、明石市等の取組と比べ本市の遅れを指摘する意見も多く出されました。  そこで、2点。  1点目に、4次総のパブコメにおいて、他都市と比較した上での本市の子育て施策に対する意見について、どのように受け止めているのか。  2点目に、4次総における子ども・子育て支援の政策について、どのように進めていこうと考えているのか、伺います。  次に、大項目5、賑わいのあるまちづくり、(1)賑わい創出に向けた取組について。  3年ぶりに大道芸ワールドカップが11月5、6日開催されました。私も市役所、御幸町等で拝見させていただきました。  一方、舞台俳優として活躍するプロデューサーによりボランティア講習会の場で極めて不適切な外国人差別発言がなされ、ぎりぎりまで開催の可否が協議される結果となりました。そこで、今回のことを整理する意味で、1点目に、今回、解任されたプロデューサーによる外国出身者や外国人への差別と受け取られかねない発言について、市としてどのように受け止めているのか。また、今後の大道芸ワールドカップin静岡の在り方はどのように考えているのか、お伺いいたします。  次に、景気回復に向けた観光交流の持つ役割について、新型コロナ第8波が心配される中、来年1月には静岡市歴史博物館グランドオープン、大河ドラマ「どうする家康」が放映されるなど、本市の観光にとっては追い上げとなる年を迎えます。そこで、にぎわい創出に向けた取組として、現在、期待のかかる観光交流文化局において、外国人観光客の受入れや国内観光客の誘客についてどのように取り組んでいるのか伺って、2回目といたします。 19 ◯建設局長(池谷 誠君) 台風15号による道路、河川の被害状況と復旧への取組についてですが、被害状況としては、道路ののり面崩壊や路肩決壊などのほか、河川の土砂堆積による閉塞などにより、道路、河川合わせて約2,000か所の被害を受けました。この被害により、特に道路が寸断され一時的に孤立箇所が発生するなど、市民生活に多大な影響を与えた中、被害箇所の早期復旧に向け取り組んでおります。  これまでの主な取組として、葵区大原での路肩決壊や清水区清地での橋梁の流出により、道路が寸断された箇所では、国の緊急災害対策派遣隊、いわゆるTEC-FORCEの協力、支援を得て、早急に仮設道路を設置し、通行機能を確保するとともに、復旧作業を進め、現在、大原では現道の応急復旧が完了し、清地では11月から仮設橋の工事に着手しております。また、そのほかの被災箇所も順次作業を進めており、年内には応急的な対応が完了する見込みです。  今後の本復旧に向けた取組としては、国の公共災害復旧事業を活用する約140か所は、年内に国の査定を受け、年明けから工事発注するとともに、そのほかの箇所についても修繕や工事などを実施し、引き続き早期復旧に向け全力で取り組んでまいります。 20 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 台風15号に対する対応に関する御質問と、危機管理に関する御質問に続けてお答えいたします。  外部有識者会議の設置と検証の進め方についてですが、まず、有識者会議の設置につきましては、今回の災害対応では治水対策、断水対策、市民の皆さんへの情報提供などについて課題があったため、検証作業において原因の分析と改善案を検討し、今後の対策に確実につなげていきたいと考えています。
     検証作業に当たっては、職員による内部検証と有識者等による外部検証を行う予定です。外部検証については、防災行政分野の学識や気象台、国、県の河川、道路等の関係機関、ライフライン事業者等で構成する防災関係の附属機関や、防災に精通した大学教授から専門的な御意見をいただくほか、自治会や市民の皆さんからも市民目線での率直な御意見をいただきたいと考えているため、改めて有識者会議を設置する予定はありません。  次に、検証の進め方についてですが、まず市内部において、災害時における役割や様々なフェーズで発生した事象等について課題の抽出、原因分析、改善の方向性、今後の対策を取りまとめ、令和5年1月末を目途に公表いたします。そして、内部検証の結果について外部の有識者などから御意見をいただくとともに、市民目線での御意見を加えた上で、最終的な検証結果を3月末までに公表する予定でございます。  続いて、危機管理の強化について、2つの御質問にお答えいたします。  まず、総合情報サイトの運用に向けた取組についてですが、今回の台風15号では記録的な大雨が降り、市内の広範囲において甚大な被害が発生し、被害状況の情報収集と集約化に時間を要したことから、市民の皆さんが必要とする災害関連の情報がすぐに発信できなかったことが課題であると認識しています。  このため、市民の皆さんが知りたい情報を一元的かつ総合的に知ることができる災害時総合情報サイトの運用を令和7年4月から前倒しし、6年10月から開始いたします。このサイトでは、行政だけでなく、市民の皆さんからも身の回りの被害情報等を提供いただくことで迅速な情報収集と集約化が可能となるほか、被害情報に加え、物資の提供、災害ごみの搬出方法等も地図画面で提供できる、双方向のシステムを目指しております。現在は総合サイトのビジョン策定に取り組んでおり、令和5年度には行政、ライフライン事業者、学識等で構成するプラットフォームを立ち上げ、必要な情報の整理、職員の配備・運用体制、関係機関との連携体制、必要なシステム機能等を検討した上で基本計画を策定し、その後、システムの開発、運用テストや検証作業などを経て運用を開始いたします。  今後は、この総合サイトを確実に実装させ、災害時において市民の皆さんに必要な情報をいち早く提供することで、被災者目線に立ったきめ細やかな災害対応につなげてまいります。  次に、災害応援協定の活用実績についてですが、今回の台風では、市内各所で大規模な浸水被害や土砂崩れ等が発生するほか、広範囲において断水するなど、被害状況の迅速な情報収集と応急対応等が必要であったことから、40の災害時に関する協定を活用し、他都市や民間事業者等と連携、協力し、災害対応を行いました。  特に、断水対策としては、日本水道協会等との協定に基づき、57水道事業体から延べ314台の給水車を派遣いただき、応急給水活動を実施するほか、民間事業者とは物資、資機材、輸送等に関する協定を活用し、水のペットボトルの提供や仮設トイレの設置を行いました。  また、土砂災害等については、崩土等の撤去による道路啓開や応急復旧工事等を進めるため、建設業協会等との協定を活用するほか、浸水被害については、迅速に家屋の被害認定調査を進め、早期に罹災証明書を発行するため、21大都市との相互応援協定を活用いたしました。  最後に、協定活用に係る課題でございますが、今回は様々な協定を活用しましたが、迅速かつ適切な災害対応には、被害状況や職員の経験値、BCPに基づく災害対応職員数等を踏まえた上で、応援要請の必要性や内容、タイミングや規模を早急に判断するとともに、日頃から協定締結先と緊密な連携、協力体制を構築し、被害想定に応じた具体的な支援、受援体制を整備することが重要であり、課題であると認識しております。  現在、災害対応については検証作業を進めておりますので、協定の活用方法についても、課題の抽出と原因分析を行い、今後の対策につなげてまいります。 21 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 子育て支援策に関する2点の御質問にお答えいたします。  最初に、4次総のパブリックコメントの意見をどのように受け止めているのかについてですが、第2回の提出意見数858件のうち、分野別計画に対する意見が688件あり、その中でも、「子ども・教育分野」に関する意見が101件と最も多くありました。内容としては、子ども・子育て施策に関する多くの取組に対し拡充を求める意見がありました。主なものは、先進市の取組を参考にすべきという意見のほか、困難を抱えた子供への支援に関する意見や、子供の遊び場、居場所の拡充に関する意見、子育て世帯への経済的支援に関する意見がありました。  このような結果から、4次総では、パブリックコメントの意見にもあった困難を抱えた子供、若者への支援や、安心して子供を産み育てられる環境づくりに関する幅広い分野について拡充を図っていく必要があると受け止めております。  次に、4次総における子ども・子育て支援の政策について、どのように進めていこうと考えているのかについてですが、4次総の政策のうち、「子ども・教育分野」では、全ての子供・若者が夢や希望をもって健やかで、たくましく、しなやかに育つまちを実現することを2030年の目指す姿としています。  そのための4つの政策として、自らの力で豊かな未来を切り開くことができる子供、若者の育成、子供、若者が誰一人取り残されず成長できるような支援、子供を産み育てやすいまちづくりの推進、信頼される保育・教育環境づくりの推進に取り組むこととしております。  さらに、5大重点政策の1つとして、「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」が位置づけられたことから、その取組を推し進めるに当たって、先進市の事例を参考にしつつ、特に、子育て家庭の負担の軽減や、子供の居場所、遊び場づくりなどを組み合わせた、安心して子供を産み育てられる環境づくりを総合的に充実させる施策について検討を行っているところでございます。 22 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) にぎわい創出に向けた取組に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、大道芸ワールドカップ、元プロデューサーの不適切な発言についてですが、本年9月17日、ステージポイントを運営するボランティア向けのプロデューサー講演会において、人種差別を連想させる内容の資料配布や講演がありました。元プロデューサーの言動の内容につきましては、本年7月に施行した静岡市多文化共生のまち推進条例の基本理念にも反するものであり、世界から人が集まることを目指す本市としては看過できませんし、断じて容認できないものと受け止めております。  続きまして、今後の大道芸ワールドカップの在り方についてですが、第1回目から30年以上が経過し、従前には1,000人を超える市民ボランティアによる運営や、海外から多数のパフォーマーや来訪者があるなど、世界に開かれたイベントとして、まちは劇場の推進の核となる事業であります。  今後は、従前の規模を回復させるとともに、国内外からの来訪者に対しましては、市を挙げて歓迎できるよう、ホテル・旅館業や飲食業をはじめとする観光業との連携強化など、観光客の受入れ体制づくりに向けて公民連携の輪を拡大してまいります。  次に、外国人観光客の受入れについてですが、本市では、コロナ禍により海外からの旅行客の受入れが難しい状況であっても、インバウンド再開に備え、韓国、台湾を対象にブログを活用した情報発信などのプロモーションを継続してまいりました。  また、新たな取組として、再開が見込まれるクルーズ船の寄港に備え、国土交通省中部運輸局の実証事業を活用して、外国人クルーズ客向けの市内周遊ツアーの開発を行っております。船会社を交えたモニターツアーの実施やツアーガイドの養成などを通じて、クルーズ客が本市ならではの体験ができるような商品開発につなげたいと考えております。  続きまして、国内観光客の誘客につきましては、団体旅行と個人旅行、それぞれに対して官民連携により誘客事業を行っております。  団体旅行では、するが企画観光局や静岡県旅行業協会と連携し、全国の旅行会社への訪問や商談会への参加を通じて、本市を目的地としたバスツアーの商品化を補助する制度を周知し、誘客を図っております。  個人旅行では、大手旅行予約サイト内に本市の特集ページをつくり、宿泊事業者が取り組むキャンペーン情報を掲載するほか、市内の観光情報を検索した人の端末へ自動的にキャンペーン情報を表示させるインターネット広告を活用するなど、旅行先を探す人に静岡市を選んでもらえるよう情報発信を行っております。  令和5年は大河ドラマの放送という誘客の好機が訪れますので、団体旅行、個人旅行いずれに対しても、歴史博物館と大河ドラマ館を誘客の柱とし、多くの観光客を呼び込み、市内周遊へつなげていきたいと考えております。   〔白鳥 実君登壇〕 23 ◯白鳥 実君 それでは、3回目は、4点の意見・要望を申し上げます。  1点目は、第4次総合計画についてです。  今後の課題としては、第4次総合計画実施計画策定に向けて、3次総での反省点である策定プロセスが不透明であることや、政策推進に必要不可欠である市民への説明責任と市民合意であります。  また、市民の行政ニーズの把握手法の確立や、大規模公共事業の必要性の検証、勇気ある見直しへの取組など、時の経済状況を踏まえた対応が重要であることを意見しておきます。  2点目に、海洋文化施設の建設について、建設規模は縮小、水槽は巨大化、結果的に集客施設にシフトし、博物館機能は大幅に縮小されたとの印象です。市が取り組むそもそもの目的はどこにあったのでしょうか。総事業費約243億円は、合併後最大規模の公共事業となります。  創生静岡は、清水港周辺地域を海洋文化、海洋研究の拠点として位置づけ、国際文化都市として整備していく計画については賛成です。しかし、現下の経済状況下、巨額の税金を投じて水族館を造ることには反対、再々凍結すべきと考えます。果たしてどれだけの市民が本事業に対し理解と賛意を示しているのでしょうか。  4月9日は市長選投票日です。田辺市長は先ほど4期目を目指しての出馬は不出馬であるということを明言されましたけれども、もしこの施設が本市にとって本当に必要であるならば、残された期間、しっかりと自信を持ってこの事業を主張すべきであります。選挙結果をもって事業を推進すべき内容を改めるということも考えられるわけでありますので、今後の大規模公共事業については、本市の将来をしっかりと見据えた冷静な対応をすべきと考えます。  3点目に、台風15号被害への対応では、被災者に寄り添った対応をお願いするとともに、早急に検証項目を提示した上で検証委員会を設置し、今後起こり得る大規模災害への備えに取り組んでいただくこと。また、災害時における救急体制の確保に向けた総点検も含めて提言をしておきます。  4点目に、田辺市長の政治姿勢について、残された在任期間において2点。  1点目は、自らの反省も含め、3期目の検証、総括に基づいて次年度予算編成に当たること。  2点目に、改めて静岡市長の責務として、田辺市長自ら進言し、県知事に対して面談を求める必要があります。市の課題を田辺市長の言葉で意見されることを強く進言し、創生静岡の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 24 ◯議長(望月俊明君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時47分休憩    ───────────────────         午後1時再開 25 ◯副議長(佐藤成子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、宮城島史人君。   〔宮城島史人君登壇〕 26 ◯宮城島史人君 志政会の宮城島です。  会派を代表して質問をさせていただきます。  質問に先立ちまして、台風第15号による災害により被災し、いまだに大変な思いをされている方々には、改めてお見舞い申し上げますとともに、発災直後より、県内外より様々な御支援、御協力をいただき、この場をお借りして感謝申し上げます。  それでは、早速質問に移りますが、最初に今回の台風第15号の件についてお聞きをしていきたいと思います。  大項目1、大規模災害に対する備えについて。  中項目、台風第15号における災害対応についてであります。  今回の台風第15号は、1974年7月の七夕洪水に匹敵する大変大きな災害を静岡市にもたらしました。今回は様々な要因が重なって、予想外の事態が市内各所で発生し、人的被害は幸いにもなかったものの、11月18日現在の報告では、床上浸水4,321棟、床下浸水1,597棟、被災家屋全壊4棟、半壊2,310棟、一部損壊2,682棟をはじめ、河川被害871件、ほか道路の決壊、土砂崩れ、孤立集落、停電、そして、清水区を中心に断水が6万3,000世帯発生し、いまだに被災された方々への影響は続いております。市民にとっても予想外の被害の大きさに、発災直後から戸惑いと混乱を招く結果になってしまいました。  静岡県は以前から防災先進県、静岡市も準じて防災市として、安全・安心な県、市として県内外に発信をしてきましたが、こんなにももろかったのかと驚かされました。  今回の台風第15号の検証については、現在も進めているとは思いますが、市民の疑問に答えるためにも、事実を明らかにすることが必要なことであると思います。お聞きしたいことはたくさんあるのですが、今回は10の質問に絞ってお伺いします。  1つ目の質問です。  市として、今回の台風第15号について、どのような雨と認識していたのか。また、9月24日土曜日の明け方までどのように対応したのかを教えてください。  次に、発災直後から被害情報が市民へ正確に伝わってこなかったという御意見が、市民の皆さんから多くありました。今は、LINE、メールを利用することが多いかもしれませんが、このような通信手段を持たない市民が多く見られます。同報無線においても聞き取りにくい場所があり、改善を求める声が以前から寄せられていました。情報の収集、発信についてどのような対応を取られたのかをお伺いします。  2つ目の質問です。  市は、9月23日金曜日未明の地区支部立ち上げから、9月26日月曜日の第1回災害対策本部会を開催するまでの間、庁内の情報をどのように収集し、共有していたのかを教えてください。  3つ目の質問は、災害発生後の情報発信に関し、現時点でどのようなことを課題とし、認識し、どのような対応を取ろうと考えているのかを教えてください。  次は、清水区を中心に発生した断水の件についてです。  断水の原因となった興津川承元寺取水口が、流木や土砂で塞がれて清水区に送られる水道水が止まり、多くの市民が不便な生活を送ることになってしまいました。断水は予想外に長引き、9月24日土曜日昼頃から断水が始まると、翌日の9月25日日曜日には、清水区のコンビニから水のペットボトルの売り切れが相次ぎ、水の配給が始まると、水を入れる容器も店頭で売り切れが続出し、水の大切さを改めて実感し、認識を新たにしたところです。  そこで、災害に対する上水道のインフラ対応についてお伺いいたします。  4つ目の質問は、主に渇水対策として整備された北部ルート及び南部ルートは、今回の台風第15号でどのように活用されたのかを教えてください。  次に、耐震性貯水槽についてお聞きます。  災害時に市民が利用できる水を蓄えた地下式の耐震性貯水槽が、市内に42か所配置されており、1つの水槽に基本100トンの飲料水が蓄えられております。この水量で1人1日3リットルの飲料水として計算すると、4,800人が7日間補えることができます。まさしく非常時の命の水でありますが、今回の断水時には、残念ながら利用されなかった耐震性貯水槽も存在いたしました。  5つ目の質問です。  災害時での耐震性貯水槽の活用は、どのようになっているのかを教えてください。  次に、応急給水の考え方についてお伺いします。  今回、断水が発生した期間中には、市内に最大41か所の給水拠点を設置し、自衛隊や県内外からも給水車が応援に駆けつけていただき、大変感謝申し上げます。  防災計画の中では、通常、小中学校が給水拠点になっておりますが、今回は学校ではなく、最初に生涯学習交流館など10か所を給水拠点に設置いたしました。  6つ目の質問です。  給水拠点を設置した場所の決定方法を教えてください。  次に、地区支部員についてお聞きします。  災害時には、それぞれの地区にいる市の職員が、地区支部員として様々な役割を担っていると思いますが、今回、最初に設置された応急給水拠点に市の職員が不在だった場所があり、市民への対応が不十分ではなかったのではないかと考えます。  7つ目の質問です。  地区支部員はどのような役割を担っているのかを教えてください。  次に、孤立集落についてお伺いします。  今回、孤立集落と認定された箇所は、58地域、1,415世帯ありましたが、その後、迅速な対応により孤立が解消されていきました。その中で市によって孤立が解消されたとの報道がされたときに、水見色地区では市が確保した迂回路が一般市民には日頃から認知されておらず、地元住民からは孤立が解消されたとは思っていないとの連絡をいただきました。  8つ目の質問です。  孤立集落の判断基準は何か。また、孤立集落にはどのような支援を行ったかを教えてください。  次は、災害ごみについてお伺いします。  今回の台風の被災により大量の災害ごみが発生し、当初は自宅前の通路に置いたり、公園に仮ごみ置場を設置し対応されましたが、中には道路の通行障害が起きたり、災害ごみ以外のごみが置かれていたと聞き及んでいます。その後に大規模仮置場を3か所設置し、このような事態が解消されました。  9つ目の質問です。  災害発生時における災害ごみの大規模仮置場を設置するまでの対応はどうであったのか。また、発災直後の対応について、今後どのように考えるかを教えてください。  次は、消防団についてお伺いします。  今回の台風第15号において、初動の情報収集や救助活動に消防団の活躍があったと聞いております。このように地域住民から成る消防団の存在は、とても心強く、地域の情報に精通しており、非常時には真っ先に現場に駆けつけてくれる頼りになる存在であります。今後も地域の安全には欠かせず、その役割がますます高まっている消防団でありますが、残念ながら全国的にも団員数は減少傾向が続いております。  ここで、10個目の質問です。  台風第15号における消防団の活動内容と、大規模災害に対する備えとして、消防団の確保をどのように考えているかを教えてください。  台風第15号に関する質問が終わりましたので、次は1回目最後の質問に入ります。  大項目2、第4次総合計画における海洋文化の地域づくりについて。  中項目、海洋文化都市構想についてお聞きします。  本年度が最終年度となる第3次総合計画の中で、清水は海洋文化のまちづくりとして進めてまいりました。来年度の第4次総合計画においては、国際拠点港湾の清水港を中心とした海洋文化と位置づけております。さらに詳しく見ていきますと、「清水港に集積するオンリーワンの地域資源を活かして、海洋産業や海洋研究が発展するとともに、国内外の人々が交流し賑わう「国際海洋文化都市」を目指す」と記してあります。  清水には、世界文化遺産である富士山を背景に、三保松原から成る三大美港と称される清水港があり、地球深部探査船「ちきゅう」が係留され、マリンバイオテクノロジーなどの海洋先端技術を生かした研究開発を行うMaOIがあります。さらに、駿河湾の赤い宝石と言われるサクラエビや、冷凍マグロ水揚げ日本一を誇るマグロのまち清水として全国的に有名であります。  先日、まちづくり拠点調査特別委員会において、駿河湾スマートオーシャン構想の講演をお聞きして、大変夢のあるオンリーワンの構想であり、総合計画に沿ったものであると確信した次第であります。  そこで、質問いたします。  駿河湾スマートオーシャン構想について、市はどのように考えているのかを教えてください。  以上、1回目の質問を終わります。
    27 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、中項目1、海洋文化都市構想について。  駿河湾スマートオーシャン構想について、本市はどのように考えているのかとの御質問にお答えをいたします。  この駿河湾スマートオーシャン構想、大変大きな将来構想であります。御承知のとおり、県内選出の国会議員から成る議連が提唱する構想であり、主に次の3点を打ち出しております。  まず、1点目は、将来の地球温暖化の影響や対策の鍵を握ると言われている北極域の環境解明の切り札として、海洋研究開発機構JAMSTECが、現在、建造を進めている北極域研究船を、既に「ちきゅう」が活動拠点としている清水港に誘致し、研究船の基地化を図るということ。  2点目は、日本一深く、生物多様性も高い駿河湾を実験のフィールドにして、デジタル技術を応用した海洋環境変化や生態系の持続可能性などの課題解決技術に関する研究開発拠点を清水港に形成するということ。  そして、3点目は、それに伴う人や技術をここに集積し、それがひいては地域経済の活性化や次の世代の人材育成につなげていくこと。  この壮大な構想の実現に係る具体的な取組は、まさにこれからという段階でありますが、将来的には、本市の清水港が地球環境の課題解決に貢献する可能性がある、スケールの大きな構想であり、議員御指摘のとおり、本市が取り組む海洋文化の拠点づくりと同じ方向性の下、今後、本市の計画と融合させていくことが大切だというふうに受け止めております。  一方、本市も、2040年を目途にした清水みなとまちづくりグランドデザインを大きなよりどころにしながら、着々と、現在、取組を加速化させているところであります。  午前中も答弁したとおり、3次総5大構想の1つである海洋文化の拠点づくりを4次総にも継承、進化をさせ、海洋産業や海洋研究が発展するとともに、国内外の人々がここで交流し、にぎわう。そんな国際海洋文化都市を目指していくまちづくりという形で、2030年を見据えて4次総に様々な事業を盛り込んでおります。  このような4次総の計画の下、本市は、まずもって海洋文化の拠点づくりとなる静岡市海洋・地球総合ミュージアム整備運営事業に着手しております。  これは、オーシャンフロンティアという理念を達成するために、乃村工藝社をはじめとする事業者、東海大学、そしてJAMSTECをパートナーとして、PFIモデルでありますので公益性と事業性の両立、教育に資する、学術研究に資するという公益性と、多くの人々がここに集客をするという事業性、この両立をするビジネスモデルとして、これから整備の下支えをしていくという段階であります。このほど落札者もいよいよ決定し、これから整備に向けてスタートを切るところであります。  この事業は、ポストコロナの時代、クルーズ船も増えてくるでしょうから、そういう世界から集まるそんな来館者に、海洋・地球と人とのつながりを伝えていくということにとどまらず、このミュージアムが清水港周辺において、JAMSTECや東海大学との連携の下、海洋研究が活発化する、そんな起爆剤になることを期待し、その成果が新たに人を呼び込む力となり、その好循環を目指してまいります。  まず、4次総、2030年までの8年間の間、その前期の2026年に完成するこの海洋・地球総合ミュージアムを拠点にした上で、先ほどのグランドデザインにおいて、海洋研究拠点の形成がうたわれている三保半島貝島地区での海洋研究、産業の集積につなげていきたいし、その周辺の三保半島全体の地域にも効果を波及させ、海洋産業や海洋研究が発展するとともに、世界中から人々が集まり、交流し、にぎわう国際海洋文化都市の実現を、さらに着実に進めていくというビジョンを私は持っております。  本市としましては、今後、スマートオーシャン構想のさらなる具体化の動きに応じて、4次総の取組と連携を図っていくとともに、海洋文化の拠点づくりを海洋・地球環境というグローバルな課題解決にも貢献させていく。脱炭素先行地域のカーボンニュートラルポートの形成も始まっております。二酸化炭素を一切出さない世界水準の清水港にしていくと。こんな取組とも連携をする中で、世界に存在感を示す、その1つのきっかけとして、この駿河湾スマートオーシャン構想を大いに活用してまいりたいと考えております。  以下は、公営企業管理者、局長及び統括監から答弁させます。 28 ◯公営企業管理者(森下 靖君) 私からは、台風15号における上水道の災害対応に関する3点の質問にお答えいたします。  まず、北部ルート及び南部ルートをどのように活用したのかについてですが、このルートは、渇水時において、安倍川水系と興津川水系の水を相互に融通する、水の相互運用事業として整備いたしました。近年は、渇水時だけではなく、平常時においても活用を図り、効率的な水の運用に努めておりましたが、今回の断水では、承元寺取水口が被災した9月24日から送水量を徐々に増やしていき、一時はポンプ能力の限界まで稼働させながら、安倍川水系の水を清水区へ融通いたしました。  これまで、1日平均それぞれ3,000立方メートルを配水していましたこの両ルートのうち、北部ルートにおいては、柏尾配水池を経由し、高部地区・飯田地区に向けて1日最大で9,600立方メートルを、南部ルートにおいては、草薙配水池を経由し、有度地区・船越地区に向けて1日最大6,500立方メートルを配水いたしました。  これは、一般家庭が1日に使用する水道水に換算いたしますと、最大約2万2,000世帯分に相当する量で、両ルートの活用により一部地域で断水を回避することができました。  次に、災害時の耐震性貯水槽の活用についてですが、耐震性貯水槽は、発災直後の混乱期において手動で水を汲みだすことができる施設で、地域の皆さんによる共助を促し、応急給水活動に利用していただくことを目的として、現在、市内42か所に整備しております。そのため、耐震性貯水槽の設置場所や操作方法については、毎年12月の地域防災訓練や市政出前講座、上下水道局の広報紙「くらしと水」などを通じて周知を図ってまいりました。  そのような中、台風15号による断水区域内のほとんどの耐震性貯水槽の活用が図られた一方、一部の地域で活用されなかったのは、設置場所や操作方法について、地域の皆さんへの周知が十分ではなかったことによるものと考えております。そのため、当該地区においては、速やかに訓練を実施する予定であります。  今後も、耐震性貯水槽が設置された給水拠点での防災訓練や市政出前講座等へ、これまで以上に職員が出向いて実演したり、県立科学技術高等学校の生徒が制作した動画マニュアルを使い、視覚的に操作方法を伝えたりするとともに、局広報紙やホームページ、イベントなど、様々な広報媒体や機会を利用して周知を図ることにより、耐震性貯水槽の着実な活用につなげてまいります。  次に、給水拠点を設置した場所の決定方法についてですが、静岡市地域防災計画では、小中学校を主要な給水拠点としております。これは、大規模な災害時には小中学校が主要な避難所となるため、あわせて飲料水の供給を行うこととしたものです。  台風15号においては、清水区で9月24日に断水となりましたが、その時点では小中学校に避難所を開設していなかったこと、当日稼働できる給水車は、本市所有の10台に限られていたことから、小中学校ではなく、生涯学習交流館等10か所を給水拠点としたものであります。  翌25日には、他の自治体から給水車19台が派遣され、給水能力が向上したため、順次、小学校17か所を給水拠点として追加していきました。  26日以降については、他の自治体からの給水車がさらに到着し、最も多いときは、本市分も合わせ79台による給水体制が確保されました。これによりまして、給水拠点をさらに分散化し、あわせて混雑を緩和するため、駐車場を確保できる民間の商業施設等への協力を得て、最大41か所としたものであります。  また、一部の給水拠点は、日中都合のつかない方のため24時間対応とし、加えて自ら給水拠点へ向かうことが難しい方のために巡回給水も行いました。  最後になりますが、今回の断水を通じ、様々な課題が浮き彫りになりました。それは、特にこの断水に関する情報発信についてです。給水活動がどこで何時から何時まで行われているのか。いつ断水が解消されるのか。その原因は何だったのかなど、市民の皆さんが必要としている情報が適時適切に提供されていなかったことです。  上下水道局といたしましては、今回の件を教訓に、断水等に伴う一連の行動について徹底した検証を行い、同じことを繰り返すことのないよう、改善を図ってまいります。 29 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 台風15号における災害対応について、4つの御質問にお答えいたします。  まず、今回の台風の認識についてですが、台風15号では、時間雨量110ミリを超える記録的短時間大雨情報が8回発表されたほか、12時間の降水量が400ミリを超えるなど、山間部、都市部とも短時間に広い範囲で猛烈な雨が降りました。一方で、前日9月22日における気象庁の予測では、24時間降水量は100ミリから150ミリとしており、また、23日も線状降水帯予測情報が発表されなかったことから、気象庁は当初の予想を上回る記録的な大雨との見解を示しており、本市といたしましても、今回の台風がこのような大雨になると予測することは難しかったと認識しております。  次に、本市の対応についてですが、9月23日の大雨警報の発表に伴い、即座に災害配備態勢を整えた後も、刻々と変化する状況に応じて配備職員を増員し、監視体制を強化するとともに、土砂災害警戒情報、氾濫危険情報などの気象情報の発表に合わせ、適切な避難行動を促すよう、避難指示の発表と避難所の開設を行いました。  さらに、災害情報共有システムなどを活用した被害状況の収集と応急対策、気象台や国土交通省、県などの防災関係機関等と連絡を密にし、情報共有を図るとともに、報道機関や市民の皆さんからの問合せへの対応などを行いました。  次に、庁内の情報収集と共有についてですが、まず、地区支部では、9月23日の土砂災害警戒情報等の発表に伴い、避難所に参集し、避難所周辺の被害状況の確認、自主防災組織等からの聞き取りによる情報収集、避難者に関する情報など、主に、各地区支部が所管する地域の被害状況等を収集するとともに、それらの情報を災害情報共有システムにより庁内で共有いたしました。  また、災害関係部署では、23日の大雨警報に伴い、災害配備態勢を整えた後、国や県、電力会社などの関係機関や市民の皆さん、報道機関等からの情報、消防からの現地報告など、様々な被害情報を収集、確認するとともに、24日の明け方からは、浸水被害、土砂の崩落などの現地調査を行い、同日午後に災害対策本部を立ち上げました。  そして、25日には対策本部検討会議を開催し、地区支部や各関係部署が収集した断水や災害ごみ、孤立集落などの情報を共有いたしました。  しかしながら、広範囲にわたり被害が発生したことで、被害状況の収集に時間を要するとともに、膨大な情報量を速やかに収集、整理し、共有することができなかったことから、情報管理の方法を見直す必要があると考えております。  次に、応急給水活動における地区支部員の役割についてですが、災害時における地区支部の主な役割は3つあります。  1つ目は、避難情報等の発表に伴い、避難者を安全に受け入れるため、避難所を開設し円滑に運営すること。  2つ目は、地区支部が管轄する自主防災組織等と連携し、地域の被害状況等を情報収集し、対策本部等へ報告すること。  3つ目は、災害関連情報を避難者や地域の住民等へ情報提供することなどを担っております。  今回の台風では、清水区の広範囲において断水が発生したことから、多くの応急給水拠点が必要となり、市水道部の職員や協定業者のみでは給水対応が困難になったため、急遽、地区支部員を動員し、応急給水活動を行いました。  しかしながら、給水拠点の設置当初は、応急給水に従事する職員が不在となるなど、市民の皆さんへの案内が不十分であったため、今後、改善してまいります。  次に、孤立集落の判断基準についてですが、内閣府の定義では、孤立とは、中山間地域等の地区及び集落において、地震、風水害に伴う土砂災害や液状化等により、外部からのアクセスが途絶し、人の移動や物資の流通が困難、もしくは不可能となる状態としております。このため本市においても、土砂の崩落や落橋等により人の移動が不能となり、物資の流通が完全に途絶えるなど、地域住民と接することができない状況を孤立として判断しています。  最後に、孤立集落への支援についてですが、孤立が発生した以降は、度々、自治会長等に電話連絡し、地域住民の安否や体調不良者の有無などを確認しております。また、通信手段の確保、食料や飲料水等の生活必需品の状況、生活への支障等を聞き取り、必要に応じ、衛星電話の貸出しや食料、飲料水等の物資を提供したほか、孤立が解消した直後には、オフロードバイク隊による現地調査を行い、健康状態の確認などを行いました。 30 ◯連携調整監(大村明弘君) 災害発生後の情報発信に関する課題と対応です。  市民の皆さんから寄せられた声などから、現時点で大きく2つの課題を認識しております。  1つ目の課題は、被災初期にその時々の市の対応状況などをお知らせできず、市民の皆さんの不安の声にお応えできなかったことです。  今後は、市民の皆さんの不安解消につながるよう、例えば、市内で発生中の断水は、解消の見込みが立っておりません。解消の見込みが分かり次第お知らせしますなど、情報が少ない中であっても、その時々で把握できている状況や市の対応状況を、その時点で利用可能な媒体を使用し、発信してまいります。  2つ目の課題は、インターネットを利用しない方への情報発信が不十分であった点です。  今回は、同報無線や広報車による情報発信に加え、発災後、スーパーマーケット等に給水拠点情報等を掲出いただくよう依頼し、協力いただきました。  今後は、同報無線や広報車をさらに効果的に活用するとともに、発災直後から即時に多くの場所で情報を掲出いただけるよう、スーパーマーケットだけでなく、コンビニや薬局等の民間事業者の皆さんと協定締結に向けた協議を進めてまいります。さらに、各自治会が管理する掲示板も活用できるよう調査を開始しております。  引き続き、できることから早急に対策を講じ、いつ起こるか分からない災害に備えてまいります。 31 ◯環境局長(田嶋 太君) 災害発生時における災害ごみの大規模仮置場を設置するまでの対応と今後の発災直後の対応についてですが、災害ごみの大規模仮置場の設置については、災害の種類や被災地域、ごみの想定量などを勘案し、複数の候補地の中から決定します。また、地権者等との調整や、市民の皆さんが安全に搬入できるように搬入路などの整備を行うことから、これらに1週間程度が必要となります。  そのため、今回の災害では、大規模仮置場を設置するまでの間、市民の皆さんには地域の公園などを一時的なごみ集積所として利用するようお願いしました。  今回の被害が、主に浸水によるもので、自家用車などが水没により使用できなかった状況もあり、被災者の皆さんからは、すぐに近いところにごみを出すことができてよかったとの声もいただいています。一方、分別などが徹底されず、無秩序に排出された集積所では、悪臭や安全上の課題が生じていたと認識しています。  今後については、今回の課題を改めて整理し、発災直後における災害ごみの出し方など、地域と連携して災害に備えてまいります。 32 ◯消防局長(秋山義隆君) 台風15号における消防団の活動内容と団員確保に対する考えについてですが、まず、消防団の活動内容につきましては、台風接近時から河川や急傾斜地の警戒巡視及び住民に対し、安全確保の注意喚起や避難誘導を実施しました。発災後は、被災状況の情報収集、冠水道路の警戒、被災家屋内や道路及び側溝の土砂、堆積物の除去、給水補助など、9月23日から8日間にわたり、述べ848人の消防団員が災害対応に従事しました。  さらに、災害対策本部からの要請を受け、仮置場に集積された災害ごみのトラックへの積込みや分別作業を、10月5日から9日間にわたり、延べ241人が行いました。  今回の活動を通じ、市民の皆様から感謝の言葉をいただくなど、地域防災の要の一つである消防団の重要性、必要性を再認識しました。  しかし、消防団員は、全国的に高齢化が進み、減少傾向にあり、本市においても大規模災害に対する地域防災力を維持するためには、若い力が必要不可欠であり、引き続き若者に対し、消防団への関心と理解を得られるよう、インスタグラムなどSNSの活用や大学への広報活動などにより入団促進を図ります。加えて、経験豊富な団員も必要なことから、災害活動に特化した機能別団員の確保にも努めてまいります。   〔宮城島史人君登壇〕 33 ◯宮城島史人君 田辺市長をはじめ、皆様、御答弁ありがとうございました。  御答弁いただいた内容については、3回目で意見・要望を述べさせていただきます。  それでは、2回目の質問に入ります。  次は、大項目3、観光施策について。  中項目、観光の広域連携についてです。  以前より静岡市は、中部5市2町を核にして観光DMOを推進してきておりますが、2年前から始まったコロナ禍により、観光業界は勢いをそがれてしまっています。静岡県の中部地区の存在価値を高めることには異論はありませんが、目まぐるしく変わる観光需要に取り残されてしまう心配があります。  静岡市は、静岡県の中央に位置し、昨年は中部横断自動車道が開通し、山梨県、長野県がとても身近になり、富士山が見える清水港の駿河湾フェリーを利用すれば、世界にも名が知られている観光地である伊豆半島も隣町として考えられます。また、コロナ禍が収束すれば大型客船も復活し、インバウンド客も増えてくることが期待でき、このような優位性をぜひ生かして、静岡市を中心にした全方位的な観光戦略を推進していくべきだと考えます。  ここで質問をいたします。  中部5市2町以外の県内各市町との連携について、どのように進めていくのかを教えてください。  次に、中項目の地域の魅力を活かした観光誘客についてです。  観光・交流分野では、静岡市が擁する地域資源を磨き、輝かせ、世界から注目され、人々が集まるまちを目指すとあります。本市は、南アルプスから駿河湾に至るまで豊かな自然環境を有し、古くから今川氏や大御所時代の徳川家康公の城下町として独自の文化や産業を育み、発展を続けてきました。また、多種多様な農産物、しずまえ鮮魚などの食材にも恵まれています。さらに、有東木の盆踊がユネスコ無形文化遺産に登録されることになり、これら地域の魅力を生かし、観光誘客を進めていくことが重要であると考えます。  そうした中で、7月に梅ケ島温泉郷で開催されたONSEN・ガストロノミーウォーキングin梅ケ島温泉郷は、梅ケ島地区の自然、文化、温泉などを体験しつつ、地元食材を使った梅ケ島ならではの料理が楽しめるすばらしいイベントであったと考えています。  また、観光客を本市で宿泊につなげ、滞在型観光を進める上でも、宿泊施設のさらなる魅力向上が必要であります。  9月補正において、観光庁の補助事業を活用する市内観光事業者に対し、国の補助対象外経費の一部を助成する宿泊施設等の高付加価値化事業という取組は、宿泊施設の魅力向上につながる取組であったと言えます。  質問です。  ONSEN・ガストロノミーウォーキングin梅ケ島温泉郷の成果と、宿泊施設等の高付加価値化事業の今後の展開について、どのようか教えてください。  次に、大項目4、子ども・教育についてです。  中項目、小中学校の施設整備についてです。  第4次総合計画には、静岡市は定住人口が2020年に70万人を下回り、国立社会保障・人口問題研究所が2018年に公表した推計では、2030年の人口はおよそ64万6,000人となる見込みと記されています。静岡市は70万人を下回った頃から、交流人口、今年になり関係人口といった表現をするようになってきています。  全国的に人口減少や少子高齢化問題は避けて通れない問題ではありますが、静岡市が住みよいまちとして定住人口を増やす努力が必要であります。その中でも安心して子育てができるまちにしていくことが重要な要素だと考えます。具体的に言えば、子供たちが質の高い教育を受けられるために、施設環境が整った快適な教育環境にして行くことが必要であります。  今年、学校を視察した際に、音楽室、理科室など特別教室には空調設備が設置されておらず、夏季には過酷な状況にあり、児童生徒や教職員の体調が大変心配であります。近年は地球温暖化が進み、毎年のように異常気象が起こり、夏場には当たり前のように気温が連続で35度を超える日があります。  皆様に配布した政令指定都市の空調設備設置状況表を御覧ください。  見てお分かりになると思いますが、特別教室への冷房設置率は、令和4年9月1日時点において静岡市は19.3%であり、政令指定都市20市のうち19番目です。20番目の札幌市は、地域的にも冷房設備は少ないのは当然ですので、静岡市は実質最下位であります。  ここで質問いたします。  特別教室への空調設備設置について、今後はどのように取り組んでいくのかを教えてください。  次は、2回目最後の質問になります。  中項目、教職員の勤務環境についてです。  教職員の本来の業務は、子供たちへの授業でありますが、子供たちへの対応は一日中休みなく続きます。1人で全てをやらなければならないのが今の先生ではないかと思います。子供たちが登校する前から勤務に就き、忙しい時間が始まります。週に25こま前後を行うのはもちろん、成績処理、行事の準備、研修の報告、明日の授業の準備などがあり、そのほかにも研修会、研究会、学年会と続いていきます。  そして、2年前から始まった新型コロナウイルス感染症の対応で、さらに業務が多忙を極めたために、スクール・サポート・スタッフ配置が拡充されてきました。これにより教職員の負担軽減が図られ、教職員がより子供たちへの指導や教材研究などに集中する効果に結びついています。教職員からは、勤務時間の縮減だけではなく、精神的なゆとりが持てるようになっているとの声も出ています。  仮に、このスクール・サポート・スタッフ配置が、今後、継続できないような状況になってしまうと、教職員が本来担うべき業務に専念できる環境及び子供たちと向き合う時間の確保ができず、働き方改革を進める上でも大変心配をしています。  ここで、質問をいたします。  国の動向を踏まえ、今後、スクール・サポート・スタッフをどのように配置していこうと考えているのかを教えてください。  これで、2回目の質問を終わります。 34 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) まず、観光の広域連携に関する御質問にお答えします。  中部5市2町以外の県内各市町との連携についてですが、これまで環駿河湾地域の伊豆市、下田市の2市、西伊豆町、松崎町、南伊豆町の3町とは、駿河湾フェリーでつながる周遊観光をPRするプロモーション動画やパンフレットを作成するなど、誘客に係る連携を進めてまいりました。  また、静岡県が3年続けて大河ドラマの舞台となる地の利を生かし、県内全域で一体となった歴史・文化資源を活用した広域連絡会を静岡県などと立ち上げました。現在は、この連絡会に参加している各市町と連携し、ゆかりの地マップの作成など、周遊観光のきっかけづくりに取り組んでおります。  特に、大河ドラマの舞台となる伊豆の国市、浜松市とは、お互いに観光客を送り合えるようなPRを行うほか、旅行会社へのツアー造成の働きかけや、首都圏の商業施設でのPRブースの設置などにも一緒に取り組んでおり、観光誘客に関する相乗効果を図っているところです。  今後は、こうした取組をきっかけに、周辺の地域とも一体となった観光プロモーションを進めていけるよう、静岡県や他の市町にも働きかけ、連携を強化していきたいと考えております。
     次に、地域の魅力を活かした観光誘客に関する御質問にお答えします。  初めに、ONSEN・ガストロノミーウォーキングin梅ケ島温泉郷の成果についてですが、この取組は、梅ケ島温泉郷内の観光地や温泉などを一日かけて歩いて巡り、チェックポイントで地元食材を使った料理が楽しめるイベントとして初めて開催したものです。このイベントには、約120名が参加し、うち県外在住者が約6割を占めておりました。また、参加者の半数近くが、イベント前後に市内に宿泊しており、集客力が高く、宿泊につながるイベントであることを確認しております。  アンケートによりますと、イベントに満足した方の割合が96%と高く、リピーターも期待できることから、今後は、農林水産業、飲食業などの広い分野への経済波及が及ぶガストロノミーツーリズムの市内他地域での実施について可能性を検討してまいります。  続きまして、宿泊施設等の高付加価値化事業についてですが、現在、静岡駅周辺の宿泊事業者など20社が、国の制度を活用して宿泊施設等の魅力向上を目的として、外観や客室の改修などに取り組んでおり、本市はこの取組を後押しするため、設備の導入や客室内の調度品の購入などに対して支援を行っております。  今後は、事業者の意向を取りまとめ、国への申請窓口となりました、するが企画観光局との連携をさらに深め、こうした取組を他の地域にも広げることで、本市の滞在環境の魅力向上に努めてまいります。 35 ◯教育局長(青嶋浩義君) 教育に関する2つの御質問にお答えします。  最初に、小中学校の特別教室における空調設備の設置についてですが、本市では夏場の気温上昇から児童生徒の健康を守り、快適な学習環境を整備するため、平成30年度から空調設備の設置を進め、まずは児童生徒が毎日使用する普通教室について、令和2年度までに設置を完了しました。また、特別教室のうち、多くの児童生徒が利用する学校図書館についても、読書しやすいよう、静かで落ち着いた空間を確保するため、普通教室と並行して設置が完了しております。  しかしながら、議員御指摘のとおり、本市における特別教室の空調設備の設置は進んでいないことから、教育環境のさらなる改善に向けた設置の必要性を認識しております。  今後、校舎の建て替えや大規模改修において設置を進めるとともに、教室の温度変化など環境の実態把握を行い、整備手法や優先順位などについて検討を進めてまいります。  次に、今後のスクール・サポート・スタッフの配置についてですが、スクール・サポート・スタッフは、令和3年8月の学校教育法施行規則の改正により、教員業務支援員として法律上規定され、教員に代わって学習プリントの準備や採点、電話対応、新型コロナウイルス対策の消毒作業などを行う支援員として、国が各自治体へ配置の促進を図っており、本市でも令和3年度から全ての小中学校に配置しております。  市教育委員会が、その効果に関して令和4年度に行った調査では、支援員の配置により教員の子供と向き合う時間が、1人当たり年間約28時間生み出されることが確認されました。  また、教員からは、休み時間に子供の話をじっくり聞くことができるようになり、学級全体が落ち着いて生活することにつながった。日記やノートへのコメントを丁寧に書くことができるようになったなどの声が多数寄せられ、教育の質の向上につながっていると考えております。さらに、全ての学校がその効果を強く実感しており、配置の継続を求めています。  今後も、スクール・サポート・スタッフを有効に活用することで、教員が教員でなければできない本来の業務に集中し、一人一人の子供により丁寧に向き合えるよう、全校配置を継続していきたいと考えております。   〔宮城島史人君登壇〕 36 ◯宮城島史人君 御答弁ありがとうございました。  3回目は意見・要望です。  今回の台風第15号についてですが、激甚災害に指定されるほどの被害が出るとは、市民を含め、当局自体が思ってはいなかったのではないでしょうか。今回の質問でも明らかになりましたが、被害状況の把握など、初動対応に課題が見えてきたと思います。毎年、防災訓練を実施して、災害対応には強いはずだと自負してきたのに、局地的な大雨だけでもろくも崩れてしまいました。今後起こると想定されている東南海大地震に備えるためにも、いま一度見直しを図る必要があります。  今回は質問をいたしませんでしたが、自治会による自主防災組織が機能したのか、疑問であります。今まで防災訓練では、地震、津波を想定して実施をしており、大雨による災害は想定していないとのことで活動をしなかった自治会もありました。また、初動の応急給水拠点になった生涯学習交流館が休館日に重なり閉館していたり、市の職員が不在だった拠点もありました。また、給水拠点まで来ることができない自宅難民に対する支援方法などの課題も検証していただきたいと思います。  今回は、飲料水のほかにトイレなどに使う生活用水も思った以上に必要であることが分かりました。三保地区では井戸水が比較的多くあり、地域で共有する共助の姿が多く見られたことが大変うれしく思いました。  しかし、停電になった場合は、電動ポンプを使う井戸水は利用ができなくなることが考えられます。対策として、生涯学習交流館や学校に手動式の井戸水の設備を配置することによって、電気、水道が止まっても、生活用水に関しては解決できるのではないでしょうか。  今回の断水の件に関して、市民の中には、旧清水市と旧静岡市が合併したことにより、清水は興津川だけに頼らず、安倍川も水道水として利用できるようになり、困ることはないと思っていたという声が多くありましたが、合併してよかったことは、渇水対策として北部ルート、南部ルートができ、防災施設として放水路や遊水地も整備されたことにより、今回の台風被害の減災に寄与したことも事実であります。  今回の台風第15号の情報発信に関しては、局内での共有ができていなかったことが、市民の不信感につながったのではないかと思います。市民が知りたい情報を、全ての人に迅速に正確に伝えることがいかに重要であるかということが、今回の教訓であります。今もまだ被災し不便な生活をされている方が多く見られます。被災者の立場になった支援を、これからもよろしくお願いいたします。  次に、駿河湾スマートオーシャン構想ですが、田辺市長の御答弁をお聞きして、私の中ではさらに期待感が高まり、私が住む三保半島は、貝島を含めポテンシャルの高さに改めて驚くとともに、地元住民、関係者には丁寧な説明とコミュニケーションをしながら、よいものにしてほしいと思います。  また、今後は清水の新しい水上交通ルートとして、海釣り公園が整備される興津から清水駅、そして、海洋・地球総合ミュージアムを整備する日の出地区、折戸湾、貝島、その先にリゾート化が進む三保真崎を水上バスで結び、点から面として清水港を捉え、観光のみならず市民の交通手段としての利用も含め、誰もが乗ってみたいと思うような回遊性のある楽しい仕掛けづくりをしていただき、できればカーボンニュートラルの観点からもEV化を併せて進めていただけますよう、御検討をお願いいたします。  そして、三保の松原の課題である保全活動事業にも、民間組織が新たな構想を持って動き出しており、市の御協力をお願いいたします。  次に、観光施策についてでありますが、今後、静岡市が県内において主導的な立ち位置になるようなビジョンを持ち、観光施策を積極的に実施してほしいと思っています。観光資源の豊かさや魅力は、どこの地域にも負けていませんので、官民連携して観光資源を磨き上げて、体験型観光として売り出し、滞在型観光を推進してください。今回のガストロノミーウォーキングは、良い事例の1つでありますので、よろしくお願いいたします。  次に、子ども・教育についてです。  特別教室の空調設備設置の件ですが、全ての特別教室に設置することは、予算的にも大変であるということは理解できますが、まずは、各学校の特別教室の状況を改めて調査するとの御答弁でしたので、その中でも特に劣悪な環境である特別教室に、例えば、最上階にある音楽室などから優先して空調設備の設置をしていくなどの検討を要望いたします。  教育環境を改善することは、子供たちの命を守り、教職員の働き方改革につながっていくものと考えますので、よろしくお願いいたします。  最後に、本日、冒頭に田辺市長から、次期市長選に不出馬という重い発言をお聞きして大変驚きました。田辺市長とは、私が議員になる前から、観光イベントや三保松原の保全活動に来られていたときにお会いして、市政についてお話をさせていただいており、私が議員を志したことに少なからず影響を与えていただきました。今までの3期12年の最終年度の来年3月までの任期を、全力で取り組んでいただき、4次総につなげていただきますようよろしくお願いいたします。  以上で、意見・要望を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 37 ◯副議長(佐藤成子君) 次に、井上智仁君。   〔井上智仁君登壇〕 38 ◯井上智仁君 それでは、通告に従いまして、公明党を代表して質問をさせていただきます。  今回は、第4次総合計画について、各種計画について、アセットマネジメントについて、子育て政策について、台風15号被害対策についての大きく5つの項目を伺っていきます。  午前中の市長の不出馬表明で複雑な思いではありますが、淡々と質問を進めさせていただきます。  初めに、第4次総合計画について伺います。  本年6月定例会において、これまでの総合計画の体系の分析などを行い、パブリックコメント時に示された計画原案において、4次総の体系が不明確であること、世界に輝く静岡の実現というまちづくりの目標が分かりにくい等の指摘をさせていただきました。  本議会に提出された議案、静岡市基本構想並びに静岡市基本計画を見てみますと、これまで示されてきた案と大きく変わっていないものの、全体的にはすっきりし、構成が分かりやすくなってきたように感じています。  基本構想のまちづくりの目標の最後の4行では、「これらの強みを活かして、人口や産業が過度に集積し時間の流れが急速に進む大都市ではなく、一定の経済力を有しながら、経済、社会、環境が調和した、世界の中で存在感を示す都市を目指していくため、「『世界に輝く静岡』の実現」を掲げることとします。」と記されています。  この基本構想を読んでいく中で、世界に輝く静岡とはどのようなまちづくりなのか、私なりに理解をしてみました。  人口約70万人を有する大都市でありながら、温暖な気候と海・山など自然に恵まれた環境は、どこの都市もまねることのできない本市の財産です。このことを踏まえ、都市の魅力である生活の利便性と、田舎に見られる心の豊かさ、癒しといった魅力の両面を兼ね備えたまちが世界に輝くまちと理解いたしました。  そう考えると、世界に輝く静岡の定義として掲げる2つの要件、「市民(ひと)が輝く」、「都市(まち)が輝く」も、市民生活の安定と心の豊かさを育むことを重視し、そのためのまちづくりを行っていくことを示していると考えられます。  基本計画に示す5大重点政策においても、「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」では、まずは市民生活の質の向上のための社会保障関連政策を進め、「アートとスポーツがあふれるまちの推進」では、市民の心の豊かさを育み、人を輝かせ、歴史文化、海洋文化、森林文化では、まちづくりの中に文化を組み込むことで人の心を豊かにするまちづくりをしていこうという感じがうかがえます。  そういった意味では、全体として総合計画の体系が整ってきていると感じています。これはあくまでも私自身の個人的な受け止め方でありますので、この読み取り方でいいのか、改めて、基本構想について、世界に輝く静岡とは、どのような姿なのかをお伺いいたします。  次に、基本計画について伺います。  基本計画においても、原案の段階と比較するとかなり整理されすっきりしたように感じます。重点目標、人口活力を高め、まちと暮らしを豊かにするといった表記がなくなり、まちづくりの目標である世界に輝く静岡の実現と一体化されたこと。定住人口の考え方という、人口目標70万人の維持ができなかった言い訳のような記載が見直され、人口活力の向上という項目を掲げ、まちづくりの基本となる、「市民(ひと)が輝く」を示すような形になりました。  残念なところが1点、この人口活力の向上の中に、未来につなげる人口活力、言わば、子育てや教育といった観点の記載がないところです。  3次総の特徴の1つとして、政策・施策レベルで成果指標を定め、数値目標を掲げる取組を初めて行ったことです。2次総においても小嶋市政で作成され、田辺市政に引き継がれたところで、3つの戦略にぶら下がる9つのプロジェクトにおいて、市民指標、行政指標が追記され、目標値を定めています。4次総においても、政策・施策評価を定めていくものと思いますが、提出されている議案の中に記載はありません。  3次総では、計画の中心の目標として、人口70万人の維持を掲げました。4次総では、人口活力をどのような目標値で評価しようとしているのでしょうか。できれば、市民満足度のような個々の価値観の変動などに左右されるものではなく、はっきりとした数値で評価ができるものにしてもらいたいと考えています。  そこで、基本計画について、4次総における指標について、どのように設定するのか、お伺いいたします。  次に、大項目2、各種計画について伺います。  各種の政策・施策、事業を進めていくために必要なものが計画です。総合計画は全ての計画の最上位に位置し、条例に基づいた計画、法律に基づいた計画など、その根拠は様々ですが、総合計画に従って各種計画が策定されているものがほとんどです。来年度から4次総がスタートするに伴い、各種計画も見直しを図っているところです。  現在、パブリックコメントを行っているものは、静岡市一般廃棄物処理基本計画、第4次静岡市市民活動促進基本計画、第2期静岡市スポーツ推進計画、第3次静岡市犯罪等に強いまちづくり基本計画、第8次静岡市食の安全・安心アクションプラン、清水駅周辺地区都市再整備計画の新規計画、草薙駅周辺地区都市再生整備計画(第3期)の中間評価、静岡市健康長寿・誰もが活躍のまちづくり計画計画素案など8件。  本市ホームページに記載され、今後、意見募集を予定しているもので、計画・プランと表現されているものは、第3次静岡市環境基本計画や静岡市子ども・子育て・若者プラン、第3次静岡市産業振興プランなどの30近くあります。どれだけの計画があるのか、調査してみましたが、分かる範囲でも163件ありました。  これらは、1つの課で完結するものもあれば、横断的に各部局が連携して進めていかなければならないものもあります。これだけのものを誰がどう管理していくのか。それぞれの計画には、関連計画との相関が示された体系図はあるものの、全体像はよく分からないように感じています。  2次総では、総合計画の後半に総合計画と各種計画の関係性が示されていますが、3次総ではこの記載がなくなりました。しかしながら、健康長寿のまちづくり計画のように、総合計画に合わせ、計画の名称だけではなく、関連計画との統合や対象範囲の見直しなど行ったものもあり、総合計画に基づいた計画づくりが行われています。計画の内容を全庁的に共有しなければならないものもあるはずです。どこかの部門がそれぞれの計画の体系、整合性、進捗などを一括管理できるようにしたほうがよいのかもしれません。  4次総において、これまでの説明資料の中では各種計画の記載はありませんが、各種計画について、総合計画と各局の個別計画の関連性はどのように整理されるのか、お伺いをいたします。  次に、大項目3、アセットマネジメントについて伺っていきます。  4次総基本計画の第8章、市政運営の基本認識の最後に、財政基盤を堅持するとして、「人口減少に伴い財政の厳しさが増す中、質の高い行政サービスを維持するためには、限りある財源を選択と集中の視点で配分し、適正な財政運営を図ることが不可欠です。このため、効率的な予算執行や新たな財源確保による、健全な財政運営を推進するとともに、公共施設の長寿命化や総資産量の適正化による、効果的なアセットマネジメントを促進します。また、民間活力を積極的に活用し、公民連携により行政サービスの充実を図ります。」と記されています。  アセットマネジメントに関しては、これまで何度も総括質問の中で取上げさせていただきましたが、昨年11月定例会において、アセットマネジメントの取組において、総資産量の適正化について、現状を踏まえ、今後、どのように進めていくのかをお伺いしました。  そこでの局長答弁では、「本市では、平成26年度に策定した静岡市アセットマネジメント基本方針において、令和25年度末までの30年間で20%の延べ床面積の縮減目標を掲げております。  そして、総合計画と連動した短期の公共施設の維持・更新計画に基づき、総資産量の適正化を進めており、これまで、市営住宅の集約化やこども園の統廃合などを行ってまいりました。結果、令和2年度末における延べ床面積の縮減実績は、約2.1%となっております。  今後、総資産量の適正化を加速度的に進めていくためには、短期の計画に加え、中長期的な視点でも公共施設の維持更新を計画する必要があります。  今年度、改訂作業中の基本計画には、新たに中長期にわたる具体的な取組を見える化し、進捗管理していくことを盛り込むべく、検討しております。  この中で各施設所管課の取組に中間目標を設定することで、アセットマネジメントの実効性を高め、総資産量の適正化に努めてまいります。」と話されました。  3次総期間において、アセットマネジメントの取組として、施設の寿命化について事業費の縮減など、一定の効果があったことは理解できますが、総資産量の適正化に向けた実績を生み出すことはあまりできなかったと感じています。  しかし、学校校舎や市営住宅を中心に、4次総期間内に築60年、70年となる施設が出てくるため、長寿命化による延命化にも限界が出てくることとなります。いざ建て替えとなっても時間とコストを要するため、4次総期間内で計画的なアセットマネジメントの取組が必要になってくるものと考えます。  公共施設全体で考えれば、床面積縮減に向け、都市マスの構想にあるように地域ごとに拠点化し、統廃合による再配置計画を示していくべきと考えますが、地域事情や土地の確保など、簡単に進めることができないことは承知しております。  まちなかの公共施設全てが縮減や廃止できるものではなく、まちなかの施設では統廃合がなじまないものが多く、今後、建て替えの議論が必要になってくるため、第4次総合計画期間中にどのように取り組んでいくのか、確認したいと思います。  そこで、第4次総合計画におけるアセットマネジメントについて、老朽化する建物について、どのような考え方で長寿命化や建て替えを進めていくのか、お伺いいたします。  築30年で大規模改修、60年で建て替えというのが基本的な考え方であると理解していますが、長寿命化によりそれを70年としたところでも、いずれ建て替えが必要なときが来ます。そして、施設の多くは同時期に建設されているため、建て替えの時期も当然同じ時期になります。長寿命化などにより建て替え時期をずらし、計画的に建て替えを進めなければなりません。その状況が顕著に表れているのが、多くの床面積を保有している市営住宅と学校施設だと思います。  そこで、市営住宅と学校施設の整備について順次伺っていきます。  まずは、市営住宅についてです。  本年度6月に公表された公共建築物の耐震対策の現状には、各施設の耐震性能とともに建築年度が示されています。これを見ると、昭和20年代、30年代建築の住宅が存在します。  葵区では、羽衣団地が昭和23年、駒形団地、新通団地が昭和24年、住吉町団地、三番町団地が昭和25年と、中心市街地の市営住宅がかなり老朽化しています。高齢者の入居が多くを占める市営住宅は、生活の利便性も要求され、郊外の大型団地よりも市街地の住宅のほうがニーズに合っており、今後とも継続的に住宅を提供していく必要があると思います。  最も古い昭和23年建築の葵区羽衣団地は、来年、築75年を迎えます。これまでは、これらの住宅も工事や修繕によって長寿命化を進めてきていると思いますが、もう限界を迎えており、建て替えが必要になると認識しています。  そこで、老朽化が進行している市営住宅の建て替えはどのように進めていくのか、お伺いします。  昭和30年代に建築された施設も4次総期間中には築70年を迎え、すぐに建て替えなど、再整備を進める必要があります。昭和40年代のものにおいても4次総期間中には方向性を定め、次の総合計画時には整備に着手する必要があります。これらの状態にあるのが、500戸を超える個数を持つ大規模団地であると思います。  葵区安倍口団地は昭和40年代中盤、駿河区有東団地は昭和30年代後半から40年代にかけて建設されました。老朽化が激しいため、入居希望者が少なく、また入居のための整備にお金がかかり、空室になってもすぐに入居準備ができないため、入居率も低くなっています。  安倍口団地でいえば、県営住宅は、本年8月現在で実質管理戸数463戸に対し入居戸数409戸で、入居率88.3%であるのと比較し、市営住宅は、本年4月現在で管理戸数1,168戸に対し入居戸数548戸で、入居率46.9%。同じ場所でありながら大きな差があります。県が、安倍口住宅の再整備を行ったことによる結果であるとも思います。  有東団地においても、まちなか近くにあり生活の利便性が高いにもかかわらず、入居率は66.0%。隣接する平成5年に建設された有東高層団地は、入居率100%。また、すぐ隣にある県営の有明団地は100%の入居率となっており、老朽化が空室を呼ぶ現象を表しています。  大規模団地の整備には、様々な手法等が考えられます。駿河区登呂にある富士見団地は、平成に入り大型の再整備が行われ、施設の高層化により土地を生み出し、高齢者施設やこども園が併設され、現在も入居率97.1%、非常に人気のある市営住宅となっております。また、現在、上土団地の建て替えをPFI方式で進めていると聞いております。  大規模団地の再整備には、相当な予算が必要となってきます。そのためには早い段階からの検討が必要であると思います。郊外にある大規模団地の必要性を検討していくとともに、建て替えに向けた計画、方向性は、4次総期間内には出してもらいたいと考えています。  そこで、老朽化が進行している有東団地や安倍口団地など、大規模団地の建て替えはどのように進めていくのか、お伺いいたします。  続いて、学校施設の整備について2点伺います。  学校施設も市営住宅と同様に老朽化が激しくなっています。昭和30年代に建設されたものが多く、増設により古いものと新しいものが複雑に絡み合っています。私の住む地域にある西豊田小学校も、雨漏りがあったり、複雑な造りにより、初めて校舎に入った保護者が迷ってしまうこともあるようです。  昭和30年代以前に建築された校舎の数を見てみます。葵区では、千代田小学校中校舎、昭和34年建築など、小学校4校、中学校4校。駿河区では、中田小学校北校舎、昭和33年建築など、小学校4校、中学校1校。清水区では、浜田小学校北校舎、昭和28年建築など、小学校11校、中学校9校とかなりの数があります。しかし、比較的新しい校舎との混在もあり、全面建て替えには困難なところも多いと感じます。  いずれにしても、昭和30年中盤以降に建てられたものは、4次総期間中に築70年を迎え、早急な整備方針を決めていく必要があります。中山間地域の学校の統廃合は進んできましたが、都市部における整備方針が見えないと感じています。校舎建て替えや統廃合の方針を決めていくには、まず、適正規模・適正配置の方針が必要です。  平成24年に静岡市立小学校及び中学校適正規模等審議会が、静岡市立小学校及び中学校の適正規模・適正配置の基本的考え方及び具体的方策の答申を行いました。ここでは、過大規模校の可能性の学校の学区域の見直しや小規模となった学校の統廃合などが具体的に示されましたが、実現することはありませんでした。  その後、少人数学級の動きや小中一貫教育などの流れがあり、改めて平成28年9月に静岡市立小・中学校の適正規模・適正配置方針が打ち出されました。しかし、ここでは理念的なものだけで、具体的な統廃合の記載はありません。適正規模・適正配置の具体的な姿がなければ、学校の整備計画も立てることは困難であると思います。  少子化により児童数が減る一方、少人数学級が求められ、きめ細やかな教育が必要とされてきます。大型マンションの建設や大規模な開発行為により、地域の児童数の変動が大きくなることも予測されます。これらにどう対応していこうとしているのか。  まずは、静岡市立小・中学校の適正規模・適正配置方針改定の検討状況はどうなのか、お伺いいたします。その上で、校舎の老朽化への対応についてどう考えているのか、伺ってまいります。  先ほど示したとおり、市内全域で校舎の老朽化が進んでいます。これだけの数があると計画を立てることすら困難なのではないでしょうか。中心市街地近くに多くの児童数を有する学校が多く、先ほど述べた葵区千代田小学校中校舎、昭和34年、38年建築、駿河区西豊田小学校北校舎、昭和33年、34年建築など、児童数が市内でベスト5に入る大規模校。児童生徒の安全を確保するためにも老朽化対策、特に再整備、改築に向けた検討を進める必要があります。本来であれば、4次総期間中に1校でも手を入れていく必要があると考えます。  そこで、市街地の大規模校など老朽化が進んでいる校舎をどう進めていくのか、お伺いいたしまして、1回目の質問といたします。 39 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、中項目1、基本構想について。  世界に輝く静岡とはどのような姿なのかとの御質問にお答えをいたします。  御承知のとおり、本議会に提出しました基本構想議案は、議員各位や市民の皆さんと共に行政がまちづくりに取り組む。そして、2030年まで発展を遂げていくための大指針でありまして、4次総の根幹をなす基本文書であります。  井上議員から6月議会本会議において、様々な御指摘や御提言をいただきました。それを基に私ども、この世界に輝く静岡とはと、この議論を深め、もう少し分かりやすく修正をして、その上でこの基本構想の中に明確に盛り込みさせていただきました。
     世界に輝く静岡の姿とは、2つの視点、1つはミクロの視点、虫の眼の視点で、一人一人の市民が輝いてこそだという発想であります。これはSDGsの目標3、すべての人に健康と福祉を、あるいは目標4、質の高い教育をみんなに。これをバックボーンにしまして、具体的な取組に落とし込んでいくという発想であります。  もう1つは、1つの都市全体として輝いていくというマクロの視点、鳥の眼の発想であります。これはSDGsでいえば目標9、産業と技術革新の基盤をつくろう、午前中も言及しました目標11、住み続けられるまちづくりをというものをバックボーンにして設定したものであります。  この、「市民(ひと)が輝く」と「都市(まち)が輝く」という2つを両立してこそ、世界に輝く静岡の姿になるということを、この基本構想でうたっております。  御会派から大変意欲的な政策提言をいただきました。この基本構想を裏づける具体策として、同時に私どもは基本計画の議案も提出させていただきまして、5大重点政策、──5大構想を引き継ぐものとして打ち出しております。御会派がこの政策提言の中で特に力を入れている分野、これは、「市民(ひと)が輝く」という、その中に位置づけられる「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」、ここにあろうかと思いますので、これについても説明させていただきます。  この重点政策群では、もちろんバックグラウンドとしてはSDGsの理念、誰ひとり取り残さない。子供からお年寄りまで、誰もが人生を楽しみながら、自分らしく輝き、活躍し、暮らすことができるまちを目指すという理念であります。これに向けて、子ども未来局や保健福祉長寿局を中心に4次総の政策立案を目下しているところですが、2つほど紹介いたします。  1つ目は、ヤングケアラーの支援であります。  日常的に家族の介護や家事を担うヤングケアラーについて、コーディネーターを配置し、アウトリーチ型支援を行うことによって早期の発見につなげ、子供が子供らしく生きられる支援体制を整備してまいります。  2つ目は、再チャレンジ事業であります。  人生は100年時代、山あり谷ありであります。よいときもあれば悪いときもある。そして、何か人生でつまずいてしまったとき、失敗したときこそ行政の出番であります。そんな市民の皆さんが再び立ち上がって、前を向いて歩き出せる。静岡市だったら、何度も何度も人生再チャレンジできる。そんな支援体制を整えてまいります。  3次総においてトライアルは既にしております。世代別、属性別に実施してきたこの再チャレンジ事業を、4次総においては、事業の統合一本化を図ってまいります。年齢とか性別とか国籍とか、障害のあるなしにかかわらず、誰もがいつでも何度でも人生に果敢に再チャレンジできる。こんな一人一人の市民が輝く支援体制の整備を進めてまいります。  今後もこのような取組の中で、市民一人一人に着目した「市民(ひと)」と、本市全体に着目した「都市(まち)」が、両方とも輝く、ポストコロナ時代にふさわしい世界に輝くまちづくりを目指してまいります。議員の御協力、御支援をお願い申し上げます。  以下は局長から答弁させていただきます。 40 ◯企画局長(松浦高之君) 3点の御質問にお答えいたします。  まず、4次総における指標設定についてですが、4次総においては、人口活力の向上、10の分野別の政策、5大重点政策にそれぞれ指標を設定してまいります。  まず、人口活力の向上については、3次総の人口70万人維持に代わる指標として、国立社会保障・人口問題研究所による直近の推計人口を上回る定住人口を目指すこと。また、市内GDPといった経済指標などを設定いたします。  次に、10の分野別の政策については、各分野にそれぞれ代表する指標を3つ程度設定します。3次総においては、全ての政策・施策に指標を設定したものの、評価対象外の政策・施策の事業からも影響を受けるなど、適切な評価が難しかったことを踏まえ、改善を図るものです。  最後に、重点的な取組である5大重点政策については、より効果的な事業実施を図るため、ロジックモデルを活用した政策施策体系を整備した上で指標を設定してまいります。  これら指標については、現在、各局と調整しながら設定作業を進めており、令和5年2月に公表予定の実施計画において示してまいります。  次に、大項目2、各種計画について。  総合計画と各局の個別計画の関連性についてですが、各局の個別計画は、これまでもそれぞれの局において総合計画との整合を図りながら作成してきております。4次総においては、両者の関係性を明らかにするため、分野ごとに個別計画を整理し、総合計画において明示する予定です。  次に、大項目3、アセットマネジメントのうち、老朽化する建物の長寿命化や建て替えの進め方についてですが、令和3年度に改定した静岡市アセットマネジメント基本方針では、これまでの建築後30年で大規模改修を行い、60年で建て替えるという一律の考え方を改め、個別施設ごとの構造や劣化状況及び将来の在り方などを考慮し、目標使用年数を定め、長寿命化や建て替え時期を検討するという考え方としました。  これにより、例えば鉄筋コンクリート造のような強固な構造であれば、60年から80年の範囲で目標使用年数を設定し、さらなる長寿命化を目指すこととしております。令和4年度において、各施設所管局が個別施設ごとの目標使用年数を定め、残りの使用期間に応じた必要な改修計画の作成に取り組んでおります。  今後は、4次総期間内において改修計画が着実に進むよう、企画局として、毎年度、施設所管局のヒアリングを行い、事業内容の見直しや進捗管理を行いながら、効率的な施設の長寿命化などを進めてまいります。 41 ◯都市局長(八木清文君) 市営住宅に係る2つの御質問にお答えいたします。  初めに、老朽化が進行している市営住宅の建て替えはどのように進めていくのかについてですが、市営住宅においても、令和25年度までに総延べ床面積を20%削減することを目標とした静岡市アセットマネジメント基本方針とともに、本市の住宅施策を示した静岡市住生活基本計画に基づき、将来の需要、供給量を勘案し、建て替えや解体による集約再編を進めております。  昭和20年代に建設され、老朽化が進行している市営住宅は、議員が御指摘のとおり、葵区の中心市街地等に9棟あり、優先的に建て替え等を進める必要があると考えております。これらの市営住宅は、狭小な敷地に建設されていることから、建て替えに当たっては入居者の一時的な移転先が必要になります。  そこで、一時的な移転先として、解体を進めている堤町団地内に新たな市営住宅の建設を計画しており、現在、設計業務を実施しているところです。4次総期間においては、建設した堤町団地に、建て替える団地入居者の一時移転を進め、老朽化が進行している市営住宅の建て替え等を順次進めてまいります。  続きまして、大規模団地の建て替えはどのように進めていくのかについてですが、大規模団地の建て替えは、団地全体の住戸数の適正化や住棟の再配置を行うことで、地域の方が利用できるコミュニティスペースの配置や、多様化するニーズに対応した住環境の整備により、多世代にわたる交流を促し、周辺地域のコミュニティの活性化と地域の拠点となる団地整備が期待できます。  老朽化により建て替えが必要な大規模団地は、上土団地、安倍口団地、有東団地があります。中でも立地条件がよく、敷地内の空地を活用して建て替えを進めることができる上土団地については、事業期間の短縮や多様化するニーズに対応するため、令和3年度より民間活力の導入を検討し、PFI方式で地域とつながり、地域に貢献する団地整備に向けて取り組んでいるところです。  このほかの大規模団地の建て替えについては、4次総期間内に団地ごとの建て替え基本構想を策定し、地域の暮らしを豊かにする団地整備とともに、地域と一体となったまちづくりを進めてまいります。 42 ◯教育局長(青嶋浩義君) 学校施設に関する2つの御質問にお答えします。  最初に、小中学校の適正規模・適正配置方針の改定状況についてですが、小中学校では、子供たち同士で切磋琢磨できる一定の学校規模が確保されていることが望ましいことから、平成28年9月に適正規模・適正配置方針を策定し、12から24学級を学校の適正規模の基準として、主に山間地の学校の適正規模の確保に取り組んでまいりました。  しかし、その後も児童生徒の減少が進んでいることから、これまで以上に計画的に取り組んでいくため、従来の基準に加え、対象とする学校の優先度を整理する必要があると考え、今年度、有識者や地域・保護者の代表、学校長等から成る検討会を設置し、改定作業を進めております。  その中で保護者へのアンケート調査を実施したところ、現在の基準については、多くの保護者が肯定的に捉えておりました。一方、基準の学級数に満たない小規模校の中でも、より学級数の少ない学校の保護者ほど、統合を含めた検討が必要と認識していることが分かりました。  これらのことから、現在の12から24学級という基準を踏襲するとともに、対象とする学校の優先度については、教育環境の観点から学級数の多寡を最優先とし、次に、アセットマネジメントの観点から、老朽化など学校施設の状況や、地域・保護者の合意状況などをベースに検討を進め、今年度末の公表を予定しております。  次に、市街地の大規模校などの建て替えについてですが、本市小中学校において、児童生徒の良好な学びの場を維持管理するためには、適切な老朽化対策が重要であり、静岡市アセットマネジメント基本方針に基づく長寿命化と目標使用年数を迎える校舎の建て替えという2つの視点で進めていく必要があります。  まず、長寿命化の視点では、大規模改修工事により耐久性の向上を図る、屋上防水や外壁の改修、給水管や排水管の取替えなどを引き続き実施してまいります。  次に、建て替えの視点では、静岡市立小・中学校の適正規模・適正配置方針に基づく学校統合の可能性や老朽化の程度など、各学校の状況を踏まえながら、市街地の大規模校の校舎についても計画的な建て替えの検討を進めてまいります。   〔井上智仁君登壇〕 43 ◯井上智仁君 御答弁いただきました。  4次総の体系、そして、世界に輝く静岡というものがようやく少し見えてきたかと思います。今後は、明確な数値目標をどう設定していくかであると思います。  昨年、公明党静岡市議会が行った第4次静岡市総合計画策定に向けた提言においても、人口目標のみに力点を置かず、実質的な人口活力の維持のために、市内のGDPなどの目標を明確化し、具体策を明示した計画を求めました。このことも踏まえ、総合計画の目標設定の検討をしていただきたいと思います。  アセットマネジメントに関して、住宅に関して一部具体的な答弁をいただきました。今後、ますます増えていく老朽化施設をどうしていかなければならないのか。新たな施設も増える中で、公共施設の適正配置をどう進めていくのか。アセットマネジメントのための基金も設立されたこともありますので、計画的に進めていただきたいと思います。  それでは、2回目の質問に移ります。  初めに、大項目4、子育て政策について。  子どもの安心・安全の確保や多様な保育ニーズへの対応について伺います。  11月8日、公明党は今後の政策の柱として、子育て応援トータルプランを公表しました。これは、現在の少子化が進展する状況を踏まえ、我が国を持続可能なものとしていくため、少子化に歯止めをかけることをテーマとして取り組んできたものの成果であり、今後10年間で実現すべき政策提言となっています。  このトータルプランについて少し紹介させていただきますが、結婚から出産、その後、お子さんが社会に出るまでの子育て期までの各ライフステージにおいて、切れ目のない支援を充実させることで、安心して子供を産み育てられる環境を創出することで、現在の少子化傾向を食い止めていきたいとの願いを込めたものであります。  プランにおいては、5つの基本的方向性を柱とし、仕事と家庭の両立により生活を犠牲にしない働き方への転換から、若者が希望を持って将来の展望を描ける環境整備までを掲げ、個々のライフステージに合わせた支援の拡充や環境整備など必要な政策を整備し、あわせて現在の社会問題であるヤングケアラーやいじめ防止、非正規の所得向上や多様な働き方への取組支援など、取組を促進していくこととしています。  この政策提言の実現へ向けて、国へ強く働きかけを行っておりますが、このプランに掲載した様々な政策を実現するためには、国のみでなく、地方公共団体や民間企業・団体などが密に連携し、社会的課題として捉え、それぞれが主体的に取り組む必要があります。私たち公明党静岡市議会としても、このトータルプランの中から、本市で積極的な検討や取組の推進をお願いすべく、令和5年度予算要望として、去る11月2日、市長に対し要望を行ったところです。  さて、先ほどお話ししたとおり、このトータルプランは、結婚からお子さんが社会に出るまでのそれぞれのライフステージについて社会的支援を大きなテーマに掲げておりますが、今回はその中でも、お子さんの未就園から幼児教育、保育の部分に着目して質問をしていきたいと思います。  この時期における子育て世帯への経済的負担の軽減や、困難を抱える子供や家庭の支援など、大きな課題もありますが、その一方で、子供の安全・安心の確保や障害児のライフステージに応じた支援も大きな課題であると考えております。  まず、子供の安心・安全の確保についてです。  特に、本年9月に発生した牧之原市の認定こども園で起きた園児置き去りによる死亡事件、昨年の福岡県で発生した事件と併せて大きな社会問題として国を動かし、全国の子育て施設に対する安全対策の再見直しや、幼児送迎バスへの安全装置の設置の義務化などを含め、こどものバス送迎・安全徹底プランとして公表され、関連経費が今国会に計上されております。  また、静岡県からも、先般、静岡県教育・保育施設におけるこどもの車両送迎に係る安全管理指針が策定され、県下の各子育て施設に通知されている状況です。  これらの動きとともに、現地・現場でのバス送迎に対する安全対策の確認として、当該施設を所管する牧之原市はもとより、静岡県で一斉に書面及び立入検査が開始され、本市でも所管部門において実施したと伺っております。この立入検査につきましては、去る11月29日に静岡県による県下の状況とともに、本市が所管する施設への調査結果が公表されています。  報道資料からは、市内29施設に対して調査を行い、その総評としては、静岡県の発表と同様におおむねの施設で安全管理措置が取られている反面、一部の施設では改善すべき点があるため、今後きちんと指導していくとのことでした。  そこで、改めてお尋ねしますが、送迎バスの安全管理に係る立入調査の結果を受けて、市はどのような対応をしていくのか、答弁をお願いします。  続いて、障害児のライフステージに応じた支援について伺います。  令和4年度版の国の障害者白書によれば、2016年調査時のデータが最新となりますが、2016年当時で17歳未満の手帳を取得している知的障害者数は約21万4,000人、この前の調査時である2011年と比べると6万2,000人、41%増。さらに、その前の調査である2005年調査と比べると9万7,000人、82%増と急速に増加している傾向です。これは、判定技術の進展や早期発見・早期治療につなげるための様々な取組により、認定されるお子さんが増加したものと考えられます。  ただし、このように手帳を取得して専門機関につながり、カウントされるお子さん以外で、いわゆる気になる子として発育過程で障害の可能性がある公的にカウントされないお子さんが増えている現状があります。また、このほかにもたんの吸引や排せつ、あるいは注射など、医療的ケアが必要なお子さんもいらっしゃいます。  このようなお子さんを抱える御家庭にあって、できるだけ地域の中で、ほかの健常なお子さんと交流し、共に育ってほしいと願うため、このような障害や医療的ケアがあっても、特別な保育・教育ニーズとして捉え、個々のニーズに応じて多様な保育・教育を提供することで、限りなく通常の子育て施設や学校で学ぶ機会を提供するインクルーシブ保育・教育の充実を図っていくことが、今後重要な社会的課題であると考えています。  ただし、このようなお子さんを預かる子育て施設などでは、保育する側の負担も非常に大きいものと推測されます。このため、障害児等の保育の受入体制はどのようになっているのか。また、今後どのような取組を行っていくのか、伺います。  次に、最後の項目、台風15号被害対策について伺っていきます。  まず、今回、台風15号により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、復旧に向け尽力されたボランティア、自衛隊の皆さん、他都市から応援に来ていただいた方々、そして、本市職員をはじめとする多くの皆様方に感謝を申し上げます。  公明党静岡市議会は、台風15号被害対策に向け、9月28日、10月18日、市長に対し2度の申入れを行いました。  1回目の申入れでは、断水の早期復旧、孤立地域の早期解消など10項目にわたり、本市として早期復旧、被害者支援に向け、全庁を挙げた取組と日常を取り戻すための、被害者に寄り添った市民、事業者への支援を全力で行うよう申入れを行いました。  2回目の申入れでは、支援が行き届いていない、取り残された市民がいないよう、誰も取り残さない支援の確立、被災者に寄り添った住宅確保など6項目にわたる申入れを行いました。  さらには、11月2日に行った令和5年度予算要望の中にも浸水対策の強化などを盛り込ませていただきました。  この台風15号対策では、様々な課題が浮き彫りとなり、今後の対策へとつながっていくものと期待します。  被災時の細かな対応に関しては、来週、個人質問で山梨議員が行いますので、ここでは我々公明党の申入れに対しどのような対策を行ったのか、2点だけお伺いします。  まずは、2度目の申入れの項目1点目、誰も取り残さない支援の確立についてです。  自治会・町内会に未加入の被災者にも支援がしっかり行き届くような体制を構築し、支援が行き届かない事例がないよう対応することと記載いたしました。実際、誰からの支援も受けないまま、一人、ぬれた畳の上で生活をしているおばあちゃんがいたなどと声を聞いています。被害状況の把握が十分にできなかったこともあり、このような方が数多くおられ、対応を求められたところですが、現在、高齢者や障害者等の災害弱者への支援についてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。  2回目の申入れの2点目の項目で、被災者に寄り添った住宅確保を求めてまいりました。罹災証明が発行されていない世帯への早期発行。被災された市民の把握及び需要に応じた市営住宅や借り上げ賃貸住宅の確保。 44 ◯副議長(佐藤成子君) あと1分です。 45 ◯井上智仁君(続) 借り上げ型応急住宅への入居対象にならない世帯への家賃補助制度の確立と記載し、住宅が被害を受け、生活が困難になった方々への誰も取り残さない支援を求めました。  そこで、借り上げ型応急住宅の対象とならない世帯への支援はどのようか、お伺いいたします。  4次総5大重点政策の原案では、健康活躍のまちの推進だったものが、「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」に見直しが図られました。ようやく公明党が言った子育て・教育が盛り込まれ、誰も取り残さないきめ細やかな対応をぜひ進めていただきたいと思います。  また、台風15号対策においては、今後の状況を詳しく分析を行い、同じ失敗を二度と繰り返すことのないようお願いを申し上げまして、全ての質問を終わります。ありがとうございます。 46 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 子育て政策に関する2点の御質問にお答えします。  最初に、送迎バスの立入調査結果に対する今後の対応についてですが、先般の立入調査の結果として、登園時の出欠確認と職員間での情報共有、バス降車後の車内確認などの対策については、全ての施設で実施されておりましたが、園児の乗降時における乗車名簿への記録などについては、一部の施設で改善が必要な点がありました。  この結果を踏まえ、次の3点の対応を進めてまいります。  1点目は、この調査結果を各施設に通知するとともに、改善が必要な点が判明した施設には、是正改善調書の提出を依頼し、早期の改善を求めてまいります。  2点目として、国や静岡県が公表したこどもの車両送迎に係る安全管理指針などに基づき、今後の定期監査における監査項目に、安全管理対策の内容を確認することを加え、また、それぞれが独自に工夫している対策について情報提供することにより、各施設が高い意識を持って対策を進めるよう指導を行ってまいります。  3点目として、今後の送迎バスの運行に対しては、ブザー等の安全装置の設置の義務づけがなされることから、国において詳細な内容について検討が進められているため、国の検討状況を注視し、詳細が確定次第、本市でも速やかに施設への支援が行えるよう、準備を進めてまいります。  次に、障害児等の保育の受入れ体制と今後の取組についてですが、まず、市立園では、障害児や医療的ケア児の受入れに当たっては、保護者の希望する園に通うことができるよう、医師から配慮すべき点について意見をいただいた上で必要な保育教諭を配置しています。また、医療的ケア児については、訪問看護ステーションから看護師の派遣を受けるなど、受入れ体制を整えています。  本年9月現在の受入れ人数は、障害児が348人、医療的ケア児が4人となっております。  次に、私立園についてですが、障害児等の受入れのため、必要となる職員の配置に要する経費の補助や各施設に専門家を派遣し、発達心理や保育経験に基づく助言を行う巡回支援事業を実施しています。  なお、本年度から医療的ケア児の受入れに要する補助の対象に、新たに私立幼稚園を加えるなど充実を図り、本年9月現在の受入れ人数は、障害児が242人、医療的ケア児が1人となっております。  今後の取組についてですが、全ての子供が誰一人取り残されることなく共に成長できるよう、インクルーシブ保育のさらなる推進を目指し、市立園では子供の特性に合わせた接し方についての研修を拡充するとともに、障害児及び気になる子に対して手厚い支援を行うため、保育教諭の配置基準の見直しを、令和6年度以降、行ってまいります。  また、私立園においては、今後も多様化する保育ニーズに対応するため、補助制度を適宜見直しするとともに、各園で障害児への支援に対する理解を深めるため、本市が実施している巡回支援事業の積極的な活用を促すなど、受入れ体制の強化を図ってまいります。 47 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 災害弱者への支援についてですが、災害対応に当たっては、SDGsが掲げる誰ひとり取り残さないという基本理念を強く意識し、被災者支援に全力で取り組んでおります。このため、災害弱者など支援が行き届きにくい方の健康状態等を把握するため、民生委員や児童委員、社会福祉協議会、災害ボランティアセンター等の団体、福祉関係事業所等と連携し、実態調査を行うとともに、専門的な支援が必要な方には、地域の社会福祉士や保健師等により、継続的な健康観察や見守りなどを行いました。  また、断水対策としては、応急給水拠点に来ることができず、水の確保が困難な高齢者や障害のある方に飲料水を配布するなど、被災者の皆さんの困り事の解消に向け、様々な支援を実施してまいりました。  一方で、これまでも災害弱者をはじめとする被災者支援に取り組んでまいりましたが、いまだに劣悪な生活環境に置かれながら、声を上げることができず、必要な支援が届いていない方がいる可能性があります。  このため、必要な支援が届いていない方を、生活再建や復旧・復興の取組に確実につなげるため、11月上旬からこれまでに延べ1,400人以上の職員を動員し、被災者調査を進めるとともに、健康観察や福祉サービス等が必要な方を支援するなど、全庁を挙げて取り組んでおります。  今後も、災害弱者だけではなく、被災された皆さんの気持ちに寄り添いながら被災者支援に取り組んでまいります。 48 ◯都市局長(八木清文君) 借り上げ型応急住宅の対象とならない世帯への支援についてですが、本市では台風15号により住宅に被害を受けた方々に対して、市営住宅の一時使用や災害救助法に基づく応急修理及び借り上げ型応急住宅の提供を実施しているところです。  しかし、修理等の期間中の一時的な仮住まいを必要とする世帯の中には、床上浸水の被害に遭ったものの罹災申請の判定で半壊未満のため、借り上げ型応急住宅の要件を満たさない世帯もあります。  そこで、これらの世帯への支援については、災害復興支援等に関する個人及び団体からの寄附金を活用し、被災した世帯が民間賃貸住宅を賃借した際の家賃等を補助する市独自の制度を設けました。本年11月7日から補助申請の受付を開始し、市ホームページの台風15号関連情報への掲載や報道機関への情報提供、床上浸水の罹災証明書を交付した世帯へのダイレクトメールによる周知を行いました。あわせて清水区のワンストップ窓口における相談ブースの設置や地域への出張相談会等を実施しております。  その結果、11月末までに92件の申請を受付ました。
     今後は、さらにきめ細かな周知を行い、スムーズな補助金の交付に努めてまいります。 49 ◯副議長(佐藤成子君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時57分休憩    ───────────────────         午後3時20分再開 50 ◯議長(望月俊明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、内田隆典君。   〔内田隆典君登壇〕 51 ◯内田隆典君 通告に従いまして、質問します。  最初に、市長の政治姿勢ということですけれども、憲法・地方自治・静岡市自治基本条例への対応についてということで伺いたいと思います。  日本国憲法でうたう地方自治の基本原則は、地方自治の本旨、すなわち住民自治と団体自治による自主的、主体的に運営されることにあります。地方自治体は、憲法理念に基づいて中央政府と対等に渡り合うことができ、憲法第13条に定める全ての国民の生命、自由及び幸福追求に対する権利の実現を直接担う存在であります。したがって地方自治体は、大きな政治課題、安保法制、原発等について住民の主体的な意見に自治体の態度を決定することが極めて重要であります。  また、自治立法権、条例制定権との関係でも、国の定める法令に対して常に自治的な態度を貫くことができる。こうした憲法、地方自治法で定める地方自治の考えに照らし、例えば核兵器禁止の条約について、この間、国の専管事項として見解を示さないことや安保法制、原発への静観の態度は問題を感じております。  また、市民の生命、自由及び幸福追求に対する権利、密接に関係する問題については自治的な態度を貫くべきと考えますけれども、市長の見解を伺います。  次に、憲法・地方自治法との関係で、学校給食の無償化について市長の見解を伺いたいと思います。  地方自治法は、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本と定めて、そして、その実践として学校給食の無償化、国民健康保険料の軽減、18歳未満までの医療費の完全無料化などが全国各地の自治体で行われています。  憲法は、数多い人権条項のうち国に対して具体的な義務づけを行っているのは、基本的生存権を規定した第25条、義務教育は、これを無償化するとした第26条第2項だけであります。いわゆる財政出動条項であり、国、地方を問わず我が国政府の財政支出は、この2つの条項を最優先して行わなければならないと言われております。  学校給食の無償化、一部補助は、2017年には76自治体だったものが現在224自治体に、5年間で3倍に広がってきています。住民福祉の増進そのものであります。  静岡市においても一部補助を含め、検討、実施に踏み切るべきだと考えますけれども、見解を伺います。  次に、静岡市自治基本条例について伺います。  条例の第1条に、その目的として、「静岡市のまちづくりの基本理念及び市政運営の基本原則を明らかにするとともに、まちづくりに関する市民の権利及び義務並びに市の執行機関の役割及び責務を定めることにより、市民自治によるまちづくりを実現することを目的とする。」と定めています。また、市自身の解説書では、条例の目的は地方自治の本旨の実現であるとしており、前文では、静岡市のまちづくりにおける最高規範としてうたわれております。  そこで伺いますが、憲法・地方自治法・静岡市自治基本条例に照らし、津波浸水想定区域への清水庁舎移転計画、桜ヶ丘病院移転での市の対応について市長はどのように評価しているのか、また、住民投票条例請求に対する市長の姿勢についての問題を感じておりますけれども、改めて市長の見解を伺います。  次に、この間議論になっております台風15号に対する対応について伺います。  9月23日の夜から降り始めた雨は、1時間当たり107ミリ、1974年、いわゆる七夕豪雨の1時間当たり84.5ミリを大きく上回り、大きな災害をもたらしました。清水地域での浸水、静岡地域では約12万戸が停電するという状況が生まれました。清水地域は浸水とともに興津川承元寺取水口が瓦礫で取水できないという状態になり、最大13日間の断水が起こるという状況になりました。  そこで伺いたいのは、災害対策本部についてであります。当局の説明資料によりますと、災害対策本部の設置は、9月24日の土曜日午後1時となっております。この時点では、清水地域では断水が始まり、巴川をはじめとした主な河川で氾濫が起きておりました。このような状況の中で、静岡市が正式に災害対策本部会議を開催したのが9月26日の月曜日午後1時となっております。初動体制の遅れが災害を大きくした、市民生活に困難を強いたという形になっていると私は思います。  災害対策本部長として、市長は、なぜ26日まで災害対策本部の開催を行わなかったのか、まず伺っておきたいと思います。  2点目は、自衛隊の派遣についてであります。これもいろいろ指摘されております。  全国では、災害が起きたとき自衛隊への出動の要請が早いということが言われております。例えば今年の8月3日の山形県、新潟県の豪雨災害では、翌日の4日朝には両県知事から災害派遣要請があり、すぐさま陸上自衛隊が現地に入り、浸水地域でのボートによる救助、給水活動などを行っている。静岡市の場合は、自衛隊の派遣要請までにどのような調整を行ってきたのか、伺いたいと思います。  3点目です。災害廃棄物処理計画に関連して伺いたいと思います。  今回の台風災害、降水量を見ましても1時間最大降水量が107ミリ、最大累積降水量500ミリと言っておりますから大変な豪雨だと言われております。  そこで、仮置場に指定された公園などの回収場所にはごみがあふれ、回収のめどがたたないという状況が続きました。市の担当者は、事前に場所を用意しておくべきだった、認識が甘かったという報道もされております。  静岡市は10月3日からJRの清水駅東口エネオス油槽所遊休地に、5日には新たに清水区大内新田の市有地を選定、そのほかにも三保貝島に仮置場を選定していきました。災害発生から1週間が過ぎてからのことでありますが、大変問題があったと思っております。事前に候補地を選定していなかったのか、その点についてどうだったのか、伺いたいと思います。  4点目は、給水拠点の周知方法と災害時に支援が必要な人への給水方法です。  先ほども災害弱者を含めてどういう対応をしているのかということがありましたから、私もきめ細かな周知が必要だと思いますから、その点、今回どうだったのかということが1点と、災害時に支援が必要な人たちへの給水方法、この辺をやっぱりきめ細かくやっていかなければならないと思いますけれども、この点でもどうだったのか、伺いたいと思います。  5点目は、台風15号における現段階での課題について当局はどのように考えているのか。  今回の台風は9月24日11時時点で降水量が418ミリ、1時間最大降水量が107ミリというんですから、処理能力を大きくオーバーしていたと。そういうことで主要河川は床上、床下浸水、約6,000棟を超えるような大災害を起こしました。興津川の承元寺取水口も大変な状況で13日間の断水をせざるを得ないということでありました。被害を大きくした理由の1つは、やはり災害対策本部の本格稼働が問題だと思っております。  そういう点で、台風15号における現段階の課題について今、どのように検討されているのか伺って、1回目とします。 52 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、中項目、憲法・地方自治・静岡市自治基本条例への対応についてのうち、条例の趣旨から見て清水庁舎整備事業に対する対応など、田辺市政の一連の行政運営をどのように評価しているのかとの御質問にお答えいたします。  まず申し上げたいことは、私は、市の職員共々、自治基本条例の趣旨を十分に踏まえ行政運営を行っているつもりであります。自治は大事であります。ただし、適切な手法で適切な機会を捉えることが大事であります。  市民生活に深く関わる重要な政策や計画の策定に当たっては、幅広い御意見をいただく必要性のため、適時適切に意見聴取を行うとともに、自治基本条例の定めに従いパブリックコメントなどの市民参画手続を実施しております。また、自治は、まちづくりにおいて当事者意識を持つかどうかが大事であります。  例えば、静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」の中にデザインカレッジという講座がありますが、そこで清水区の両河内の自治会の皆さんが学んでおりまして、提言でいただいたのがココバスの事業です。静鉄が撤退した後、自分たちで何とかコミュニティーバスを運営しようということであり、大変高い自治意識がありました。そこで行政がどんな下支えができるのかという検討が始まり、今、地域の皆さんに非常に喜んでいただいております。  また、お茶カフェ&ランチトークという中で、市民ランナーの有志の方々と接点があったときにいただいた提案が、東京の皇居ランと同じように駿府城ランをやるために何かその施設が欲しいという提言をもらいました。その結果できたのが、中央体育館横のラン・アンド・リフレッシュステーションであります。市民ランナーの方、ウオーキングの方、様々なスポーツをする方々にとって格好のオアシスになっております。これも自治という観点から、まちづくりにつながった例だと自負をしております。  御質問の清水庁舎整備事業につきましても、基本構想策定の段階からタウンミーティング、パブコメ、アンケート調査、ワークショップなど多岐にわたる手法により市民参画手続を実施して、広く市民の皆さんの御意見を事業に反映したところであります。  加えて、住民投票条例の制定請求への対応につきましても、議会制民主主義の正当な手続にのっとり意思決定をしたところであります。  内田議員の御理解を切にお願いいたします。 53 ◯総務局長(渡辺裕一君) 核兵器禁止条約等について、市としてどのように考えるかについてですが、本市では、平成17年に決議した静岡市平和都市宣言により、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明し、本市の姿勢や考え方を明らかにしております。  このように平和を希求する本市ではありますが、条約の批准等については国の専管事項であり、国政の場でしかるべき議論がなされるものと考えております。 54 ◯教育局長(青嶋浩義君) 学校給食費の一部負担についてですが、本市では、経済的な理由で支援を必要としている家庭については、既に就学援助制度により学校給食費を全額補助しており、そのほかにおいて学校給食費の一部を負担することは、現在の本市の財政事情から非常に困難であり、実施する予定はございません。  学校給食は、食育を通して食の大切さや携わる人々への感謝の心、地産地消を通した郷土愛の育成など重要な役割を担っているものと考えており、魅力ある学校給食の提供に力を入れるとともに、学校給食施設及び設備の充実などにも取り組んでおります。  今後も引き続き安全・安心で、おいしい学校給食の提供に努めてまいります。 55 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 台風15号への対応について、3つの御質問にお答えいたします。  まず、災害対策本部会の開催時期についてですが、台風対応については、9月23日の大雨警報の発表に伴い、即座に災害配備態勢を整えた後、洪水警報や土砂災害警戒警報が発表されたことや安倍川、藁科川などが氾濫危険水位等に達したことから、適切な避難行動を促すよう避難指示を発表するとともに、避難所の開設、被害状況の収集と応急対応、市民からの問合せへの対応などを行いました。  翌日の24日の明け方から、まずは人的被害を含めた被害の全体像を把握するため、孤立集落、浸水被害、土砂の崩落、福祉施設等の状況調査と確認、また、消防ヘリコプターによる救助活動や救急搬送、車両水没に伴う避難支援、土砂の崩壊等による交通規制などの応急対応を最優先に進めるとともに対策本部を立ち上げました。  また、25日には対策本部検討会議を開催し、孤立集落や断水、土砂の崩落、災害ごみ等の状況を報告、共有するとともに断水への対応や災害ごみの処理方法、災害協定等に基づく応援要請、仮設トイレの設置、飲料水の配布、災害関連情報の提供方法など、迅速かつ横断的な対応が必要な事項について活動調整を行い、今後の対応方法を協議、決定いたしました。  そして、26日には検討会議における協議事項を踏まえた今後の対応方針等を協議、決定するため、本部会を開催いたしました。  次に、自衛隊派遣要請までの対応についてですが、自衛隊の災害派遣は、都道府県知事などが災害に際し防衛大臣などに派遣を要請し、要請を受けた大臣などが緊急性、非代替性、公共性の3要件を総合的に勘案して判断し、やむを得ない事態と認める場合に部隊等を派遣することを原則としております。このため甚大な被害が発生し、緊急的な対応が必要とされる孤立解消のための崩落土砂の撤去、飲料水確保のための給水車の派遣、断水解消のための取水口の復旧、災害ごみの撤去、回収等について、派遣の3要件を踏まえた上で、庁内において至急、要請内容を協議・調整するとともに、県との間でも発災後から派遣要請内容を協議するなどの対応を進めてまいりました。  最後に、台風15号における現段階での課題についてですが、今回の台風では広範囲において浸水被害が発生したこと、大規模な断水が発生したこと、市民の皆さんに必要な情報が届いていないという声が多かったことから、早急に取り組むべき課題は3つあると考えています。  1点目は、治水対策です。治水対策については、これまでも県と連携し、巴川流域全体で被害を軽減させる対策を計画的に進めてまいりましたが、時間雨量では七夕豪雨を上回る記録的な大雨が降り、現在の整備水準では耐えられなかったことから、早急に大内新田地区等への大規模調整池の設置などの治水対策に取り組むほか、県とのさらなる連携により、流域治水を加速させる必要があります。  2点目は、断水対策です。興津川承元寺取水口の閉塞などにより大規模な断水が発生したことから、早急な再発防止策を講じるとともに、基本的な対策として、取水施設の機能強化や取水口の複数化、新たな水源の確保なども検討し、安定給水のための取組が必要となります。  3点目は、情報集約と発信体制の構築です。今回の台風では広範囲にわたり被害が発生したため、被害の全体像の把握と集約化に時間を要し、市民の皆さんが必要とする被害情報や対応状況を速やかに伝えられなかったことから、市民の皆さんが災害時に知りたい情報を一元的かつ総合的に知ることができる災害時総合情報サイトの早期構築が必要です。  このほかにも迅速な被害状況調査の方法、他都市等からの応援受入体制や災害協定締結先との連携体制の構築、災害ごみの迅速な処理方法などについても見直しが必要であると考えております。 56 ◯環境局長(田嶋 太君) 災害ごみの大規模仮置場について事前に候補地を選定していなかったのかについてですが、大規模仮置場については、事前に一定のスペースのある市内複数箇所を候補地としてリスト化しており、今回は、その中から選定しました。仮置場の実際の設置に当たっては、被害の状況や災害ごみの想定量など様々な要因を考慮するとともに、地権者等との調整や市民の皆さんが安全に搬入できる体制を整えていくことも必要です。  今後は、今回の災害対応の検証を踏まえ、より迅速かつスムーズに大規模仮置場が設置できるよう取り組んでまいります。 57 ◯上下水道局長(服部憲文君) 給水拠点の周知方法と災害時に支援が必要な方への給水方法について、併せてお答えします。  初めに、給水拠点の周知方法についてですが、台風15号による断水が発生した9月24日の午前9時に、まずは市ホームページに掲載し、その後、順次、市LINE公式アカウントでの情報発信や報道機関に対する給水場所や開設時間の情報提供、生涯学習交流館でのチラシの配布などを行いました。しかし、給水拠点の現場では市民の皆さんの混乱を招いてしまい、情報発信の内容やタイミングが不十分であったと認識しております。  この点を重く受け止め、今後は、地区支部や自主防災組織との連携強化をはじめ、スーパーマーケットなどでの紙媒体の掲示や同報無線、広報車の活用など、市民の皆さんが欲しい情報を適時適切に伝えられるよう努めてまいります。  次に、災害時に支援が必要な方への給水方法についてですが、給水拠点までの移動距離が長くなってしまう方への負担を少しでも軽減できるよう、スピーカー付給水車により各地域への巡回給水を実施しました。  また、福祉部局では障害者や高齢者などの要配慮者にプッシュ型で早い段階で飲料水のペットボトルなどを戸別配布したほか、地域包括支援センターや社会福祉施設を経由して、合計で約5万3,000本の飲料水を配布いたしました。さらに、足腰が悪くて給水所まで取りにいけないなどの電話をいただき、できる限りの対応をしましたが、人員不足等により支援を必要としている全ての方には十分にお届けすることはできませんでした。  今後、災害時における要支援者への対策については、関係部局との連携を密にし、自主防災組織や社会福祉協議会などとも協力して、よりきめ細かな支援につなげてまいります。   〔内田隆典君登壇〕 58 ◯内田隆典君 憲法・地方自治法に定めることに照らして、核兵器禁止条約についてどうかという質問をさせていただきました。  私は、これ憲法と地方自治法の問題で、核兵器廃絶問題等々を何度か質問しましたけれども、先ほども指摘しましたけれども、地方自治体は、憲法の理念に基づいて中央政府に対し対等の立場で渡り合うことができる存在であると。だから法令に従うのではなく、国と対等の立場で解釈、運用することであり、あってはならない法令、立法には様々な方法で明確に判断することが求められると。私は、この観点からすると、総務局長は、先ほど平和都市宣言も上げているから核兵器廃絶の問題等々、国に申し上げるのは、これは地方自治体としてといいますか、静岡市として申し上げることはできない旨のことを言ったわけですけれども、私は、そうではなくて、総務局長は今、答弁されましたけれども、平成17年に平和都市宣言をやったということも、それはもう皆さん知っていることで、平和都市宣言を高らかに宣言をしているわけですよ。しかし、宣言をしたからそれでよしとすることではなくて、皆さん御存知のとおり、今国会も開かれておりますけれども、国会の中では、憲法に抵触するような敵基地攻撃能力をどうするかという議論がされています。それで防衛費も2倍化しようじゃないかという議論もしています。そうしますと、当然、市民生活に多大な影響を及ぼすということになるわけで、私は専管事項だから国に対して物申せないということは、平成17年の平和都市宣言を上げたそういう趣旨からしても、私は危惧する問題をきちんと指摘するということが必要じゃないかということを感じました。  それから、田辺市長から自治基本条例の趣旨からして、この間の対応はどうかという質問に対して、市長は、自治基本条例の趣旨を踏まえて様々な行政手続、その時々の課題についてアンケート調査やパブリックコメント、タウンミーティング等含めて自治会にも丁寧な説明を行ってきたという答弁をされましたけれども、私は、田辺市長が答弁した内容はそれは違っていないと、そのとおりだと思うんです。条例に基づいた趣旨、そういう形で対応してきた、そこまではいいんですよ、市長。その後があるわけですよ。  その自治基本条例というのは、そういうことをしながら多くの市民の皆さんの意見を聞いて、聞いた意見を、これは2度も3度も4度もここで言っているんですけれども、市長と私は、そこがすれ違うと。聞いた上で、それを幹部職員、市長や二役、幹部職員だけで判断せずに、それを意見を入れなさいということがこの条例の肝なんですよ。聞くだけじゃ駄目だ、聞いただけでやりっ放しじゃ駄目だっていうこれが、自治基本条例の肝なんですよ。ここが対立しているんじゃなくて、意識的に抜かしているのかどうか分からないけれども、ここが抜けていると。そうすると、何でこんな基礎的な条例をつくっているのに、ここを進めないのかと、私は感じるんですね。  なぜそうなるかということは、私は、この間の庁舎や桜ヶ丘病院の問題で感じるのは、市長はタウンミーティングにも出かけて、いろいろなところで説明しましたよ。そのときの1つの発言で、1,000年に一度来るかどうかの地震より今を大事にしたい旨の発言をしました。私はその時いいのかなと思いましたよ。確かに1,000年に一度か、しかし、最近では大震災が30年に7割、8割の確率で来ると言われているときに、そういう発言をしていいのかなと思いましたけれども、やはりここに私は、この基本条例をきちんと受け止めていない市長、市の幹部の姿勢があるんじゃないかと思っているんです。  近年、風水害というのはどんどん間隔が狭まって、来ているわけですよね。そういう点で台風15号、その前にも同じような水害が来ていますよ。そういうときに、私は今のような感覚でいたら大変なことになるじゃないか。そういう点で今回の台風15号は、どちらかというと停電があったり、水害で大きな被害が出ているわけで、南海トラフの地震となりますと、台風と違って、いろいろな被害が出てくると思うのです。当然、停電もするでしょう、水問題も出てくるでしょう。危機管理も検討していると思うんですけれども、台風15号でこれですよ、これ。言ってみれば、もうにっちもさっちもできないような、初動の体制の遅れからだと思うんですけれども、こういう状況に陥ったわけですよ。断水が13日間ですよ。  私は、市長だけじゃなくて危機管理統括監ですか、今話がありましたけれども、災害対策本部会が26日になったのかということを聞きました。自衛隊の問題も聞きました。全体の把握をしてから、それからやったから26日になった旨の答弁をされた。私は違うと思うんです。違う。もう23日、雨が降り続いて、24日の時点ではもう断水ですよ。本来であれば、もう24日の段階で本部を立ち上げたら、そこで会議をやって、そこから全体を把握するように各局に指令を出して、全体を把握する中で、どうするのかということをやるのが本部長の責任であり、危機管理の対応ですよ。26日までに何やっているのか分からない。何だか知らないけれども、敬老会に行った、祭りに行ったなんて後で聞いて、違うでしょうと。まずは、24日の段階で全体を把握するために会議を開いて、市長は各局に指令を出して、いつまでに私のところに情報を寄せなさいと、それについてどうするかということで指令を出すのが災害対策本部の仕事ですよ。それを何か自分たちがやったことを合理化するみたいで、だからこういうやり方じゃ駄目だというんですよ、駄目。  だから、関連して、先ほど自衛隊の問題も言いましたけれども、これも1日と3日じゃ、災害のときには大変な遅れなんですよ。そこを反省しなきゃ駄目なんです。言い訳をしちゃ、そこが駄目なんですよ。反省するところは反省して、議員から指摘されたら、ああそうかと、違っていましたと、そこで前向きな交流ができるんですよ。何だかね、駄目ですね、そういうやり方は。もうそれくらいにしておきますね。  2回目の質問に入りますけれども、そういった自治基本条例のことを踏まえてパブリックコメントを通じて、これからいろいろな市民意見の聴取をやると思うんです。施策に反映することについて基本的な考え方を聞きたいんですけれども、この基本姿勢というのは、やはり自治基本条例の肝である、聞くだけでなくて取り入れるということを入れた基本姿勢を聞きたいわけですけれども、その点についての考え方を伺いたいと思います。  それから台風15号についての対応です。被災者支援について伺いたいと思いますけれども、静岡市もいろいろ対応しています。浸水対策のときについては床上、床下など今回の補正予算にも出されているんですけれども、職員の皆さんが2人組で延べ1,400人ですか、いろいろな要求を聞いているということで説明があったんですけれども、私らも聞きますから、多種多様な願い、要望が出されてきていると思う。そうしますと、静岡市でできること、できないことがあると思うんです。それはしようがない。そうだとすれば、県や国に対してもこういう要望が出ているということを伝えて、やっぱり国・県一体となって、被災された皆さんに十分な対応ができるということをやっていく必要があると思うんですけれども、それについて、今後の支援策についてどのような考えを持っているのか、伺いたいと思います。  次に、巴川の問題でありますけれども、皆さん御案内のとおり、巴川、山原川、山切川、塩田川等含めて主要河川が本当に大変な状況に陥りました。そういう点では、国土交通省によりますと21年まで30年間で1時間雨量が80ミリ以上を超える短時間の豪雨は、発生回数は1.7倍に増えた。全体的にはもう大変な状況になっています。そういう点では、巴川の河川の浸水をどう防ぐのかという検討はされていると思いますけれども、やはり専門家や第三者機関を含めて、きちんと開いて、今度のような災害はもう二度と招かないというような対応をすべきだと思いますから、専門家の意見も取り入れた対策をどうするのかという考え方について伺いたいと思います。  それから…… 59 ◯議長(望月俊明君) あと1分です。 60 ◯内田隆典君(続) 清水区で断水した6万3,000戸のうち9割が承元寺取水口の被災が原因とされる問題ですけれども、市民の皆さんが大変な状況に追い込まれたと、強いられたという状況なんですね。そういう点では、これも取水口が1つだったということが言われており、これは対応するということでありますから、そこをどうするかということを検討しながら、この対応もしっかりと一日も早く検討して実施ができるようにしていただきたいと思います。  そういう点で、取水口がどういう状況になってダメージを受けているのか、現在どのような対処をしているのか、伺いたいと思います。  最後に、学校給食の問題でなかなか難しい問題があろうかと思います。これはコロナ禍の経済状況の中で全国的に大きな要求になっておりますから、そのことも踏まえて、ぜひ前向きな検討をお願いして、私の質問を終わります。 61 ◯市民局長(草分裕美君) 市民意見の市の施策への反映に関する基本的な考え方についてですが、本市では、静岡市自治基本条例の理念である市民自治によるまちづくりの実現を図るため、静岡市市民参画の推進に関する条例を定めています。市民参画推進条例は、市民参画手続の手法や時期、効果的な実施方法等を規定し、本市では、これらに基づきパブリックコメントと市民ワークショップを組み合わせるなど、施策の内容に応じ市民の皆さんが広く市政に参画できるよう努めています。  また、提出された意見については、市の考えを公表することが義務づけられており、施策の決定過程の透明性を確保しています。さらに、毎年の市民参画手続の実施状況は、有識者や公募市民の皆さんによる静岡市市民自治推進審議会に報告し、市民目線によるチェックも受けています。  このように、政策の立案、実施及び評価の各段階で効果的な市民参画の機会を確保し、提出された意見については十分に検討し、積極的に施策に反映させていくことが重要と考え、取り組んでいるところです。 62 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 申し訳ありません。最初に1点、訂正をさせていただきたいと思います。  先ほど台風15号における現段階の課題についてというところで、2点目の断水対策につきまして、取水施設の機能強化なども検討するというところを「基本的な」と申し上げましたが、「抜本的な対策として」と訂正をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  それでは、被災者支援制度の周知と今後の支援策についてでございます。  まず、被災者支援制度の周知につきましては、これまでも被災者の皆さんに生活再建のために必要な支援制度の情報を確実に届けるため、罹災証明書発行の際に各区役所に開設している被災者支援窓口の案内を同封することで、被災された市民の皆さんに直接、情報提供をしております。  また、市のLINE公式アカウントやホームページを活用し、被災された皆さんに支援の案内や申請手続等を行う被災者支援窓口の開設状況や支援制度を広く周知するとともに、生涯学習交流館など市の関連施設に冊子やチラシの配架をしております。  しかしながら、被災された方の中には声を上げることができず必要な支援が届いていない方もいる可能性があるため、全庁を挙げて被災者調査を実施し、支援制度を案内するとともに、実態調査を踏まえ必要な支援につなげるなど被災者支援に全力で取り組んでおります。  なお、今後の支援策につきましては、現在、被災者調査を実施する中で様々な声やニーズがあることから、まずは既存の支援制度を活用し、確実に支援につなげているところですが、今後の調査の状況も踏まえた上で新たな支援策の必要性も検討していきたいと考えております。 63 ◯建設局長(池谷 誠君) 浸水対策に専門家の意見を取り入れていくのかについてですが、巴川流域では、静岡市浸水対策推進プランに基づき、河川や下水道施設の整備などを進めてきましたが、台風15号の豪雨により、既に対策が完了した地区においても浸水被害が発生するなど大きな被害をもたらしました。このため、現在、被害の原因分析や対策の検証を進めておりますが、新たな対策や地区の追加など、現行のプランを見直していく必要があると考えております。  また、見直しを進めていく上では、今回の豪雨や気候変動の影響による降雨量の増加などを踏まえて、整備水準の在り方や効果的な浸水対策などについて学識経験者などの専門家の意見を聞きながら検討していきたいと考えております。 64 ◯上下水道局長(服部憲文君) 承元寺取水口は、どのようなダメージを受け、どのような対処をしているのかとの御質問にお答えします。  まず、承元寺取水口の被害状況についてですが、興津川の増水により流木や土砂が施設内に流入して取水口が閉塞し、取水不能となりました。また、水中の細かなごみを取り除く除塵機が故障したことをはじめ取水口への進入路が陥没したほか、監視カメラや水位計などの計測設備、遠方監視制御盤などの電気設備、手すりやフェンスなどの安全設備が破損、または水没するなどの被害を受けました。
     次に、被害の対応状況ですが、流木や土砂は事業者や陸上自衛隊の協力を得て撤去し、取水機能は回復しました。また、除塵機や進入路の修繕も早期に完了しました。現在、監視カメラや水位計、遠方監視制御盤をはじめとした施設の復旧に向け作業を進めております。この中で今回の被災状況に鑑み、監視カメラの設置高さや位置を改善するなどの対応を図ってまいります。    ─────────────────── 65 ◯議長(望月俊明君) 本日はこれにて延会いたします。         午後4時1分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...